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倉庫の暑さ対策は必須!対策をおこなう必要性と対策方法を解説

倉庫は構造上熱がこもりやすく、暑さ対策が必須です。また近年、日本の気温は上昇傾向にあり、年々熱中症被害も増えています。倉庫や工場といった熱がこもりやすい場所では熱中症の被害が顕著で、その対策の重要性が注目されています。 
 
本記事では、倉庫で暑さ対策が必須な理由や倉庫を効率的に涼しくするコツ、具体的な暑さ対策について解説します。

1.倉庫に暑さ対策が必要な理由

倉庫は構造上、熱の逃げ場が少なく、熱がこもりやすくなっています。また、そのほかにも、さまざまな要因によって暑くなってしまい、暑さ対策が必須となります。ここからは、倉庫に暑さ対策が必要な理由を解説します。 
 
・倉庫内部は熱がこもりやすい 
・温度ムラが発生しやすい 
・作業者の健康維持・生産性向上のため 
・対策を怠ると企業が罰則を受ける

1.1 倉庫内部は熱がこもりやすい

多くの倉庫は金属製の屋根を使用しており、断熱性が低いため日差の影響を受けやすく、室内の温度が上昇しやすくなります。 
 
さらに、天井が高く空気の対流が起きにくいことや、窓が少ない構造で自然換気が困難なことも、熱がこもる原因となっています。

1.2 温度ムラが発生しやすい

倉庫の構造は、熱がこもりやすいだけでなく、室内の温度ムラが発生する要因にもなります。 
 
とくに天井が高く空気の流れが少ない環境では、冷房を使用しても空気の対流が起こりにくいです。そのため、地面に近い下層部分は冷える一方で、天井付近の上層には熱がこもりやすく、上下で明確な温度差が生じます。 
 
また、出入口付近は人や物の出入りにより多少の空気の循環がありますが、出入口から離れた奥のスペースでは空気が滞留しやすく、さらに熱が蓄積されやすい環境となります。 
 
その結果、倉庫全体を均一に冷やすことが難しくなり、冷房の効率が大幅に低下するおそれがあります。空調設備を設置しても、熱だまりの解消や空気の循環を意識しなければ、効果的な温度管理は実現できません。

1.3 作業者の健康維持・生産性向上のため

近年、倉庫や工場などの現場において、作業中の熱中症被害が増加傾向にあります。厚生労働省の発表によると、職場での熱中症による死傷者数は2022年に827人、2023年に1,106人、2024年には1,257人と年々増加しています。 
 
とくに、全体の約4割が製造業における発生とされており、倉庫や工場は高リスクな作業環境であることがわかります。たとえ軽度であっても、熱中症になると意識がぼんやりしたり、判断力や集中力が低下するなど、作業効率に大きな影響を及ぼします。こうした健康被害が深刻化すれば、重大な労働災害や離職にもつながりかねません。 
 
そのため、企業には従業員の健康を守るだけでなく、安全で効率的な職場環境を整える責任があり、暑さ対策はその重要な一環と言えるでしょう。

1.4 対策を怠ると企業が罰則を受ける

企業が熱中症対策を怠った場合、労働契約法および労働安全衛生法に基づき、法的責任や罰則が課される可能性があります。 
 
まず、労働安全衛生法では、企業には労働者の安全と健康を守る義務が定められており、違反した場合は以下のような罰則が適用されます。第22条(事業者の講ずべき措置)に違反すると、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金(第119条)が科される可能性があります。 
 
また、第88条(作業環境の管理)に違反した場合も、50万円以下の罰金(第120条)の対象となります。さらに、これらの法的罰則に加えて、労働基準監督署からの行政指導や勧告を受けるケースもあります。状況が悪質であると判断された場合は、業務改善命令や業務停止命令が出されることもあり、企業の事業継続に大きな影響を与えるだけでなく、社会的信用や企業イメージの低下にもつながります。 
 
したがって、熱中症対策は企業にとって法的にも経営的にも非常に重要な責務と言えるでしょう。

2.倉庫を効率的に涼しくする「局所空調」

先ほども触れたように、倉庫は熱がこもりやすいうえに、構造上冷房が効かせにくいです。しかし、それでも作業員たちの健康を守るためには、暑さ対策が必須です。 
 
そこで、倉庫の暑さ対策としておすすめしたいのが「局所空調」です。 
 
局所空調とは、空間全体ではなく、特定のエリアだけに冷暖房を行う空調のことです。必要な場所にだけ効率よく空気を送ることで、エネルギーの無駄を減らしつつ、その場にいる人に快適な環境を提供できます。 
 
たとえば、作業員がいる周辺や熱がこもりやすい一部のエリアだけに空調を効かせることで、空調効率が悪い空間でも効率的に暑さを対策できます。工場や倉庫の状況・構造に合わせて空調をおこなえるのでとても利便性が高いです。 
 
無駄なエネルギー消費を抑えられるうえに、電気代などのランニングコストを削減することにもつながるので、企業の経営にもよい影響を与えるでしょう。

3.倉庫の暑さ対策

暑さによる影響は、倉庫で働く人々にとって多くのリスクを与えます。管理側である企業は早急な対応をおこなうことが求められます。ここからは倉庫の暑さを対策する方法を3つ紹介します。 
 
・スポットで涼しくする機器の導入 
・こまめな換気をおこなう 
・ビニールカーテンで空間を遮断する 

 
それぞれ詳しく解説します。

3.1 スポットで涼しくする機器の導入

まず1つ目の暑さ対策として、スポットで涼しくする機器の導入がおすすめです。 
 
大型エアコンでは冷却が難しい作業エリアや人が集中する場所に対し、局所空調をおこなうことで効果的に温度を下げることができます。とくに、長時間同じ場所で作業する現場に適しており、空間全体を冷やすよりも省エネで効率的です。 
 
また、スポットで涼しくする冷房機器は移動式タイプもあるため、必要に応じて設置場所を変えられて、柔軟な温度管理が可能です。 
 
ただし、機種によっては性能が低いものもあり、あまり涼しさが感じられないものもあります。性能をチェックしたうえで、効果的に活用できるものを選びましょう。

3.2 こまめな換気をおこなう

コストを抑えてできる暑さ対策の一つに、こまめな換気の実施があげられます。 
 
倉庫内に熱がこもるのを防ぐためには、まず出入口や窓の位置を確認し、効率的な空気の通り道を確保することが大切です。空気の流れができることで、熱や湿気が滞留しにくくなり、結果として倉庫内の温度を下げる効果が期待できます。 
 
さらに、自然換気だけでなく、大型の換気ファンやシーリングファンを設置することで、空気の循環を促進させることができ、より高い換気効果が得られます。とくに天井の高い倉庫では、上部に溜まりがちな熱を下に押し流すことで全体の温度差を和らげる効果もあります。

3.3 ビニールカーテンで空間を遮断する

エアコンとビニールカーテンを併用することで、効率的な暑さ対策が可能になります。 
 
ビニールカーテンで作業エリアを仕切ることで、冷気が外へ逃げにくくなり、エアコンの冷却効果を高めることができます。その結果、冷房効率が向上し、設定温度を抑えながら快適な環境を保てるため、電力消費の削減にもつながります。 
 
導入コストも比較的低く、簡単に取り入れられる点も魅力で、コストを抑えつつ効果的に暑さ対策を行いたい現場におすすめの方法です。

4.倉庫の冷房には「ヒエスポ」がおすすめ

「倉庫を効果的に空調できる設備を取り入れたい」 
 
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。ヒエスポは、さまざまな場所で活用できる性能の高さから多くの方に利用されています。 
 
本体に室内機・室外機を内蔵し、コンセント接続だけで稼働可能。直進性の高い大風量で狙ったエリアにピンポイント冷風を送れるため、全体冷房負荷を大幅に削減できます。加えて除湿機能も備えているため、体感温度をしっかり下げて熱中症リスクを抑えながら、省エネ運転を実現します。 
 
購入・レンタル・リースのいずれにも対応し、予算や運用期間に合わせた導入が可能です。ワンストップで進める冷房効率改善の仕上げとして、ぜひ「ヒエスポ」をご検討ください。

5.まとめ

本記事では、倉庫で暑さ対策が必須な理由や倉庫を効率的に涼しくするコツ、具体的な暑さ対策について解説しました。 
 
倉庫のような空間は冷房が効きづらく、快適な環境を作り出すのが難しい環境です。しかし、熱中症が発生しない空間、快適に作業がおこなえる空間を作り出すのは、企業側の責任です。作業者・従業員たちの健康を守ることは企業の持続的な成長にもつながるため、具体的な対策をおこなっていきましょう。 
 
もし「冷房機器も効果的なものを導入したい」とお考えの方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。