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工場は暖房が効かないのはなぜ?暖房効率を向上させる4つの方法を解説

冬の工場は、その構造や環境の影響でとても冷え込みやすいです。冷え込んだ過酷な労働環境では、従業員の健康や生産性に悪影響を及ぼすおそれがあります。 
 
しかし、暖房設備を導入しても「工場の中ではなかなか効果が感じられない」という声は少なくありません。これは工場特有の建築構造によるもので、その特性に合わせて暖房を利用しなければ十分に暖めることができません。 
 
本記事では、工場で暖房が効きにくい要因とその具体的な改善策について解説していきます。

1. 工場はなぜ暖房が効かないのか?

工場のような環境は、一般的なオフィスや建物と比べると非常に冷え込みが厳しくなります。一般的な建物と比べて寒くなる原因としては、以下のような点が挙げられます。 
 
・空間が広すぎる 
・設定温度と外気温の差が大きすぎる 
・空気の循環が悪い 
・暖かい空気が窓や扉から逃げている 

 
それぞれ詳しく解説します。

1.1 空間が広すぎる

まず一つ目の要因として、工場が広大な空間を持つ建物であるという点です。 
 
工場は製造ラインや大型機械を設置するために、天井が高く床面積も広いケースがほとんどです。そのため暖めなくてはならない空気の量も多くなり、暖房を必要以上に稼働させなくてはなりません。 
 
また、工場によく使われているトタン屋根やコンクリート床は、断熱性が低いため熱が逃げやすく、せっかく室内を温めても暖房効率が下がってしまいます。さらに、暖かい空気は上に溜まってしまう性質を持っており、作業員がいる床付近まで暖かい空気が届きにくいことも問題となります。

1.2 設定温度と外気温の差が大きすぎる

二つ目の要因は、暖房の設定温度と外気温の差が大きいことです。 
 
冬場の外気温はかなり低くなるため、室温を快適に保とうとすると暖房機器に大きな負担がかかります。さらに、多くの工場の天井や壁は、断熱性の低いトタンや金属板などが使われており、外気からの影響を受けやすい構造になっています。 
 
そのため、設定温度との差が広がりやすく、室内であっても外気温の影響を受けやすいのです。

1.3 空気の循環が悪い

三つ目の要因は、工場の広い空間では空気の循環が悪くなる点です。 
 
広い工場内では、せっかく暖めた空気がうまく循環せず、一部に留まってしまう傾向にあります。また、暖かい空気は上に溜まってしまう特性があるため、天井付近に滞留したまま作業スペースの床面付近に届かないといった現象も起きてしまいます。 
 
その結果、暖房効果が十分に発揮されないため、工場内では空気を循環させる工夫が必要になります。

1.4 暖かい空気が窓や扉から逃げている

四つ目の要因は、暖めた空気が窓や扉から逃げてしまう点です。 
 
工場の出入口は、資材の搬入出や人の出入りが多いため、大型かつ頻繁に開閉されます。また換気や排熱のための窓も多く、開閉のたびに暖めた空気が外へ流出してしまいます。 
 
暖房を強くしても熱損失が大きいため、室内を快適な温度に保つことが難しくなってしまいます。

2.暖房効率を向上させる方法

冷え込んだ過酷な労働環境では、従業員の健康や生産性に悪影響を及ぼすおそれがあります。そのため企業や管理者は、業務に支障が出ない適切な環境を作ることが求められます。 
 
ここからは暖房効率を高めるための具体的な方法についてご紹介していきます。

2.1 定期的なメンテナンスや清掃をする

暖房機器の定期的なメンテナンスや清掃をすることで、暖房効率を高められます。 
 
暖房機器のフィルターにホコリや汚れが溜まると送風効率が落ちてしまい、暖房効果も著しく低下してしまいます。清掃によって送風効率を高めることで、電気代の無駄を抑えることもできるため、経済効果も期待できます。 
 
また、ポンプや配管を定期的に点検することで、カビや雑菌などの繁殖も防ぐことにもつながりますよ。

2.2 局所的な暖房を使う

局所的な暖房機器を導入することもおすすめです。 
 
工場のような広い空間では、室内全体を暖めることは効率が悪いです。そのため作業員が集まるエリアに局所暖房を活用することで、必要な場所だけを効率よく暖め、省エネで効果的な寒さ対策が可能です。 
 
導入には初期コストがかかるものの、使用時間や範囲を限定することでランニングコストを抑えられますよ。

2.3 サーキュレーターを併用して使う

既存の暖房機器と合わせてサーキュレーターを活用する方法も有効です。 
 
空気の循環が悪い工場内では、天井付近と床付近で温度にムラが生じてしまいます。そこでサーキュレーターを使って空気に流れを作り、循環させることで温度のムラを解消することができます。 
 
暖めた空気を循環させることで、今ある暖房機器の稼働効率を格段に高められます。

2.4 壁や天井に断熱材を利用する

熱が逃げやすい構造の工場では、断熱材を利用することも効果的な対策になります。 
 
工場の壁や天井は、断熱性が低く熱が逃げやすいトタンや金属板が用いられていることが多く、せっかく暖めた空気が外へ逃げてしまうという課題があります。そこで壁や天井に断熱材を取り入れ、熱が外へ逃げるのを防ぐことで、暖房効率を大幅に向上することができます。

3.寒さの対策は「働きやすい環境づくり」のきっかけにもなる

ここまで寒さ対策の具体的な方法をご紹介しましたが、重要なのは「寒さを解消すること」だけではありません。寒さ対策は、従業員にとっての「働きやすい環境づくり」にもつながります。 
 
工場を働きやすい環境にすると、企業にとってはさまざまなメリットがもたらされます。
 
◾️工場を働きやすい環境にするメリット 
・生産性の向上 
・従業員の定着率向上 
・人間関係の問題の減少 

 
とくに離職率が高い製造業においては、従業員が長く働き続けることで技術の熟練度が高まり、生産性の向上が期待できます。 
 
今回紹介したような、暖房機器の導入や暖房効率の向上をおこなうことは、働きやすい環境づくりにおいてとても効果的です。 
 
とくに空調設備の設置は、安全性と生産性の両面から大きな効果が見込めます。工場内を適切な温度に保つことで、従業員の健康リスクを抑えられるだけでなく、集中力の低下や作業ミスも防止でき、生産効率の向上にも直結します。 
 
単なる快適さのためではなく、労災リスクの低減や業務効率化を実現する「経営的に有効な投資」として捉えることが重要です。

4.工場の暖房には信越空調の「ヒエスポ」がおすすめ

「寒い冬を乗り越えるための暖房設備が欲しい」 
「1年を通して活用できる空調設備を取り入れたい」 
 
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。ヒエスポは、大空間でも利用できる性能の高さと、電源さえあればすぐ使える手軽さから多くのお客様に愛用されています。 
 
暖かい空気は上に溜まってしまう性質があるため、広い空間で暖房をつけても空気はどんどん上へ向かってしまい、なかなか暖まらないことがあります。しかし、そんなときは「ヒエスポ」の出番です。直進性のある大風量の風を吹くので、足元などの低い場所に風を送ることが可能です。「ヒエスポ」のパワフルな風であれば効率的に暖められるでしょう。 
 
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。ぜひ、信越空調の「ヒエスポ」をご検討ください。

5.まとめ

本記事では、工場で暖房が効きにくい要因とその具体的な改善策について解説しました。 
 
暖房効率を向上させる方法をおさらいしましょう。 
 
・定期的なメンテナンスや清掃をする 
・局所的な暖房を使う 
・サーキュレーターを併用して使う 
・壁や天井に断熱材を利用する 

 
暖房機器の導入や暖房効率の向上をおこなうことは、働きやすい環境づくりにおいてとても効果的です。 
 
とくに空調設備の設置は、安全性と生産性の両面から大きな効果が見込めます。より自社の経営発展を進めるためにも、従業員のことを考えて取り組みましょう。