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避難所のエアコン設置はどうすればいい?対策の重要性やおすすめの空調設備を解説

日本は海外に比べて、地震や台風、津波、洪水などの自然災害が発生しやすい国です。地形や地質、気象などの自然的条件から発生しやすくなっているので仕方のないことですが、もし発生した際の対策は十分におこなっておく必要があるでしょう。

そんななか、災害が発生した際の避難先である「避難所」のエアコンの整備状況が問題となっています。災害によって自宅に住めなくなった人たちは、学校の体育館や公民館のような避難所で過ごすこととなりますが、エアコンがまだまだ全国的に整備されていません。

本記事では、全国的な避難所のエアコン整備状況、エアコン設置ができていないことで起こるリスクなどについて解説します。

1.避難所のエアコンは整備できている?

日本は地形や地質、気象などの自然的条件から自然災害が発生しやすい国です。そのなかでも地震はかなり多く、世界で発生する地震の10〜15%が日本で発生しているほどです。

自然災害が発生して自宅に住めなくなってしまった際は、学校の体育館や公民館のような「避難所」で過ごすことになります。しかし、そんな避難所で問題となっているのがエアコンが整備されていないことです。災害時に自宅以外で過ごせる場所があるのはありがたいことですが適切な環境でないことにより、避難者たちが過酷な環境で過ごす現状となっています。

1.1 災害発生時には避難所で問題なく過ごせる環境が求められる

避難所のエアコンが整備されていないことは大きな問題となっています。もしも夏場もしくは冬場に避難所で過ごすことになると、厳しい温度のなかで生活しなければいけません。厳しい環境による体調不良はもちろん、避難者のなかには元々疾患を抱えている人もいるので疾患を悪化させてしまうこともあるでしょう。さらに被災者たちは被災のショックで精神的にも不安定な状況です。適切な環境になっていないことで、より身体的にも精神的にも悪影響を与える可能性が高まります。 
 
住民たちに避難指示を出して避難所に誘導しておきながら、環境が整っていないのは大きな問題といえるでしょう。

1.2 さまざまなコスト面で対応が難しい面もある

自治体は早急なエアコンの整備対応が求められますが、コスト面で対応が厳しい状況もあります。

設置型の業務用エアコンは、工事費込みの費用相場は30万〜100万円ほどの費用がかかります。しかし体育館のような大型施設になると、通常の業務用エアコンより大型なものや能力が高いものが必要となるため、設置には数千万円の費用がかかってしまいます。また、設置日だけではなく、設置した後のランニングコストも膨大になることが想定されるでしょう。

設置が急務となってはいますが、自治体の財政のみでは正直限界があるといえます。

2.全国の公立小中学校の空調設備設置状況

文部科学省が令和6年9月に発表した公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況についてでは、全国の公立小中学校の空調設備設置状況は「体育館等」でみると22.1%となっています。「普通教室」では99.1%なので、体育館へのエアコン設置が著しく進んでいないことがわかります。 
 
体育館へのエアコン設置が進んでいないのは、先ほども触れたコスト面での難しさもありますが、生徒たちが長い時間を過ごす教室への設置を優先しているという背景もあるでしょう。もちろん生徒たちの学びや生活はとても重要なので、教室の環境を整備するのは分かります。しかし、体育館も学校行事の拠点となったり、子どもたちの遊び場となりうる場所です。そのうえ住民たちの避難所となるので、しっかりと設備を整える必要があるでしょう。

3.避難所のエアコン設置ができていないことで起こるリスク

避難所は全国的にエアコンが整備されていないですが、自治体は避難した人たちが問題なく過ごせる環境を整える必要があります。エアコン設置をおこなっていないことで以下のようなリスクがあるためです。 
 
・熱中症の発生 
・低体温症の発生 
・精神状態の悪化

3.1 熱中症の発生

夏場に避難所生活を強いられると、室温がとても高くなり熱中症が発生するリスクがあります。 
 
人間の身体は、平常時は体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することで体温が外へ逃げる仕組みとなっています。そのため、体温調節が自然とおこなえるようになっているのです。 
 
しかし、気温の高すぎる環境に居続けると、体温を調節する機能が狂ったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりします。そうすると、めまいや頭痛、けいれん、意識障害などの症状が発生してしまうのです。特に高齢者や乳幼児は、体温調節機能が衰えていたり、まだ未熟だったりするため、体内に熱がこもりやすくなっています。体温が上がりやすく熱中症のリスクが高いので注意が必要です。

3.2 低体温症の発生

冬場に避難所生活を強いられると、室温の低さから低体温症が発生するリスクがあります。 
 
低体温症とは、深部体温(脳や心臓などの臓器の温度)が35℃以下に低下した状態です。体温が低下すると、細胞の活動が低下して深部体温も下がってしまい、身体の機能を正常に維持できなくなってしまいます。 
 
深部体温が35度以下になると、最初は激しい震えや、判断力の低下などの症状があらわれます。体温が下がっていくににつれ、筋肉の硬直、脈拍や呼吸の減少、血圧の低下などが起こり、最悪の場合死に至ることもあります。自覚がないまま進行することもあるため注意が必要です。

3.3 精神状態の悪化

避難所の環境が整えられていないことで、精神状態が悪化することが想定されます。 
 
避難所に来ている方は被災された方なので、被災したショックで不安を抱えています。そのような状況で環境が整っていなければ、より精神的な苦しみを感じてしまう人が多いでしょう。精神的な負担が大きくなると、そこから身体的にも悪影響を与えてしまう恐れもあります。身体的・精神的にも悪い症状がでたり、元々持っていた疾患を悪化させてしまったりする可能性が高くなるでしょう。

4.避難所におすすめな空調設備とは?

災害はいつ来るかわからないため、事前に避難所の環境を整えておく必要があります。住民たちに避難指示を出して避難所に誘導しておきながら、環境が整っていないのは大きな問題といえるでしょう。

しかし、先ほども触れたように、体育館に設置するようなエアコンは大型かつ能力が高いものが必要となるため、非常にコストが高いです。また設置には規模が大きい工事が必要となるため、導入には高い障壁があります。 
 
そこでおすすめなのが、「移動式エアコン」の導入です。 
 
移動式エアコンは工事が不要で、本体のプラグをコンセントにつなぐだけで利用することが可能です。災害時は避難所の電気が使えないことも多く、コンセントも利用できないことがありますが、一般的に発電機で利用することも可能です。そのため、発電機と軽油を準備すればすぐに使うことが可能です。 
 
機種にもよりますが、移動式エアコンは業務用で利用されることを想定しているため、高い能力を備えているものが多いです。さまざまなサイズ・冷房・暖房能力を備えているものがあるため、避難所の大きさ構造を考慮したうえで、最適なものを設置するのがおすすめです。

5.移動式エアコンの導入なら「ヒエスポ」がおすすめ

本記事では、全国的な避難所のエアコン整備状況、エアコン設置ができていないことで起こるリスクなどについて解説しました。避難所は全国的にエアコンが整備されていないですが、自治体は被災者が問題なく過ごせる環境を整える必要があります。しかし、コスト面や工事の規模的に対応が厳しい状況もあります。

「設置型のエアコン以外でなにか導入できないか…」とお考えの場合は、ぜひ信越空調の「ヒエスポ」をご検討ください。電気を作る車『三菱アウトランダー』を使った場合(100V)でも運転性能検証済みです。発電機とヒエスポを組み合わせて利用すると、指定避難所になっている体育館や公民館などでもコストを抑えて導入できます。 
 
住民のために防災対策をおこないたい自治体の方は、ぜひ信越空調にご相談ください。