密閉空間の冷房のコツ4選!スポットクーラーより移動式エアコンがおすすめの理由も解説!
倉庫のような密閉空間は冷房が効きづらく、快適な環境を作り出すのが難しいです。そのような密閉空間で作業をおこなうことになると、熱中症のリスクが高まります。とはいえ、冷房をフル稼働させてもなかなか涼しくならず、効率悪く空調をおこなってしまう可能性が高いです。
密閉空間に効果的に冷房を効かせるためには、冷房が効きにくい原因を理解し、それにあった対処法を実施することが求められます。本記事では、密閉空間で冷房が効きにくい原因と、効果的に冷房を効かせる方法について解説します。
1.密閉空間はなぜ冷房が効きにくい?
倉庫のような密閉空間が冷房が効きにくい理由は、熱の逃げ場が少ないこと、外部からの熱による影響など、さまざまな要因による冷房効率の低下が複合的に作用するためです。ここからは密閉空間が冷房が効きにくい理由について解説します。
・内部の熱が蓄積しやすい
・輻射熱の影響を受けやすい
・空気の循環不良による温度ムラが発生している
それぞれ詳しく解説します。
1.1 内部の熱が蓄積しやすい
密閉空間は、十分な換気ができない構造であるケースが多いです。そのため、室内の暖かい空気が排出できず、それらが熱となって室内に蓄積していきます。熱が蓄積していくと、冷房を稼働させても冷たい空気が循環せず、なかなか涼しくなりません。
また、人の体温や照明器具の熱、機械の熱など、熱を発するものがどうしても存在します。それぞれが熱を発することで、熱が外に逃げにくく、内部にどんどん熱が蓄積していってしまうのです。
1.2 輻射熱の影響を受けやすい
密閉空間では、屋根や壁が日光を直接浴びることで「輻射熱(ふくしゃねつ)」の影響によって室内の温度を高めます。
輻射熱とは、物体から放射される赤外線によって、離れた物体に熱が伝わる現象のことを言います。多くの倉庫や工場では屋根や壁に熱を伝えやすいトタンや鉄板を用いているため、太陽からの輻射熱に長時間晒されることで、天井が高温になってしまいます。さらにその熱により、室内が温められ高温な環境が作り出されるのです。
この輻射熱は空気の温度を上げるだけでなく、人体にも直接熱として感じられるため、空気を冷やしても涼しさを感じにくい原因となります。
1.3 空気の循環不良による温度ムラが発生している
空気の性質上、冷たい空気は下に溜まる性質があります。そのため、冷房を稼働させても天井が高い密閉空間では、床付近は冷えても上層部には熱がこもりやすく、部屋を均一に冷やすのが難しいです。
このような同じ室内でも場所によって温度に差が生じる現象を「温度ムラ」といい、いくら強く冷房を稼働させたとしても、上下で温度差が生じやすくなってしまうのです。
また、先ほども触れたように密閉空間は十分な換気ができないケースが多いので、空気の流れが滞ることで冷気が部屋の隅々まで行き渡りません。どうしても冷えない場所が生じてしまい、温度ムラが発生してしまうのです。
2.密閉空間でも効果的に冷房を効かせるためには?
倉庫のような密閉空間は、内部の熱の蓄積や外部からの熱の影響などによって冷房が効きにくい環境になっています。これらを解決するには、原因に合わせた対処法をおこなうことが求められます。ここからは、密閉空間でも効果的に冷房を効かせる方法について紹介します。
・熱を外に逃がすために換気できる環境を作る
・熱を発する機器の配置を見直す
・屋根や壁に断熱・遮熱対策を施す
・スポットで涼しくする機器を活用する
それぞれ詳しく解説します。
2.1 熱を外に逃がすために換気できる環境を作る
室内に熱がこもると室温は上昇し、体感温度も上がっていきます。密閉空間だとなおさら暑くなり、空気の循環が悪くなることで冷房を使っても涼しくなりません。
そのため、熱を外に逃がすために換気できる環境を作りましょう。複数の窓がある場合は、対角線同士の窓を開けると効率よく空気の入れ替えができます。もし、窓が少ない場合は、換気扇や送風機などを活用して、室内の熱い空気を強制的に排出し、新鮮な空気を取り入れるようにしましょう。
2.2 熱を発する機器の配置を見直す
倉庫や工場内に熱を発する機器がある場合、機器の配置を見直すのも効果的です。可能であれば室外に設置、難しければ換気のよい場所にすることで、熱源への対策ができます。もし、発熱量の大きい機器がある場合は、冷却ファンや排熱ダクトなど個別の廃熱対策を施すようにしましょう。
また、密閉空間内で作業をおこなう場合、人が密集してしまう場所は熱源となってしまいます。可能な範囲で分散をおこなうと、熱が発生する原因を減らせるでしょう。
2.3 屋根や壁に断熱・遮熱対策を施す
屋根や壁に断熱・遮熱対策を施すのもおすすめです。
先ほども触れたように、屋根や壁が日光を直接浴びると「輻射熱」の影響を受けて、室温がどんどん高くなっていきます。そのため、断熱効果のある塗料を屋根に使ったり、遮熱効果のあるシートを壁に使ったりすると、密閉空間の室温が高まるのを防げます。
また、断熱・遮熱対策を施すと、室内で冷やした空気を外に逃がさないので、密閉空間の温度上昇を抑えながら適温を保てます。
2.4 スポットで涼しくする機器を活用する
もっともおすすめなのが、スポットで涼しくする機器の導入です。
密閉空間の中で作業員のいる場所や作業をおこなう場所をピンポイントで涼しくする機器を導入すれば、冷気が行き渡らないところもカバーできるようになります。空間全体を涼しくするより、スポットで温度を下げることで効率的に適温を作り出せるでしょう。
ただし、機種によっては性能が低いものもあり、工場内ではあまり涼しさが感じられないものもあります。空調として性能をチェックしたうえで、活用できるものを選びましょう。
3.スポットクーラーより「移動式エアコン」がおすすめ
「スポットで涼しくする機器」と聞くとスポットクーラーをイメージする方が多いと思いますが、密閉空間の空調には「移動式エアコン」がおすすめです。
移動式エアコンとスポットクーラーは厳密な定義によって違いが分けられているわけではありません。ただし、製品の傾向や用途によって分けられます。
移動式エアコンは、基本的に業務用として利用されることが多いです。直進性のある大風量の風が一定の範囲まで届くので、狙ったエリアを効果的に空調できます。もちろん距離が遠すぎると効果は弱まってしまいますが、とくに冷やしたい・暖めたい場所の近くに持っていくことで快適な温度を保つ一定のエリアを作ることが可能です。
対してスポットクーラーは、その名の通り「スポット(点)」を冷やすことに重点を置いた空調機器です。基本的に小型のものが多く、家庭用として利用されるケースがほとんどです。そのため、特定の少人数を冷やしたり、休憩場所のような小空間を冷やしたりする場合に使われます。
製造業の工場や密閉空間の倉庫においては、快適な温度を保つ一定のエリアを作りだせる移動式エアコンが最適です。
4.密閉空間の空調には「ヒエスポ」がおすすめ
「密閉空間を効果的に空調できる設備を取り入れたい」
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。ヒエスポは、さまざまな場所で活用できる性能の高さから多くの方に利用されています。
本体に室内機・室外機を内蔵し、コンセント接続だけで稼働可能。直進性の高い大風量で狙ったエリアにピンポイント冷風を送れるため、全体冷房負荷を大幅に削減できます。加えて除湿機能も備えているため、体感温度をしっかり下げて熱中症リスクを抑えながら、省エネ運転を実現します。
購入・レンタル・リースのいずれにも対応し、予算や運用期間に合わせた導入が可能です。ワンストップで進める冷房効率改善の仕上げとして、ぜひ「ヒエスポ」をご検討ください。
5.まとめ
本記事では、密閉空間で冷房が効きにくい原因と、効果的に冷房を効かせる方法について解説しました。
倉庫のような密閉された空間は冷房が効きづらく、快適な環境を作り出すのが難しい環境です。しかし、熱中症が発生しない空間、快適に作業がおこなえる空間を作り出すのは、企業側の責任です。作業者・従業員たちの健康を守ることは企業の持続的な成長にもつながるため、具体的な対策をおこなっていきましょう。
カレンダー
最新の記事
-
25/08/15
-
25/08/10