工場の暑さ対策は必須!対策をおこなう必要性と対策方法を解説
近年、日本の気温は上昇傾向にあり、室内といえど工場内での作業中に熱中症などの体調不良に見舞われるケースが増えています。暑さによる影響は、工場で働く人々にとって多くのリスクを与えるため、早急な対応が必要になってきます。
本記事では、工場の暑さ対策の必要性や対策方法についてご紹介します。
1.なぜ工場は暑さ対策をおこなうべきなのか?
工場は建物の構造や作業の特性上、室温がとても高くなる傾向にあります。太陽光の輻射熱や製造機器などから発せられる熱により、工場内の気温は40〜45℃まで上昇するケースもあります。
このような環境下では、健康被害だけではなく作業効率の低下や品質低下といったリスクが発生してしまうため、工場では暑さ対策が必須となってくるのです。ここからは工場の暑さ対策の必要性について詳しくご紹介します。
1.1 熱中症による事故を防ぐため
まず、暑さの影響で従業員が熱中症になるケースが考えられます。
熱中症は、気温が高い場所で長時間活動し、体温が上昇することで引き起こされます。軽度な症状では、めまい、立ちくらみ、筋肉痛や痙攣があり、重度になると意識障害や最悪の場合、死に至ります。
危険な機械の操作や高い集中力が必要な工場の作業において、これらの症状は重大な事故に繋がりかねません。事故を未然に防ぐ為にも、工場内の気温を適切に保つ必要があるのです。
1.2 従業員を健康被害から守るため
暑さによる健康被害は熱中症だけではありません。工場内だけではなく工場の外に出た後も暑さの影響を受けるのです。
たとえば、高温下での長時間の作業により熱が体内にこもってしまい、食欲低下や睡眠障害、倦怠感を引き起こします。これらは「夏季うつ」と呼ばれる、いわゆる夏バテの症状になります。
また、高体温や外気との温度差によって、血管にストレスがかかり、心筋梗塞や狭心症、心不全などを引き起こすリスクも高まります。これらの体調不良は、精神的なストレスにも繋がるため、従業員の健康を守るためにも暑さ対策が重要になります。
1.3 生産性を向上させるため
高気温の環境は健康被害だけではなく、工場の生産性を低下させる可能性も考えられます。
高温下での長時間の作業は、熱中症や不快感などから集中力を低下させ、疲労も溜まりやすくなります。これらの症状が続けば、通常よりも作業効率が下がってしまいます。
また、そのような環境では従業員のモチベーションも下がり、人的ミスや離職といった損失リスクにも繋がります。工場内を適温にすることで、これらのリスクを防ぎ、さらに今より工場の生産性を向上させることができるでしょう。
1.4 商品の品質低下を防ぐため
工場内の気温が上がることで、商品の品質を低下させるリスクがあります。
高温な環境では化学反応速度が速まるため、製品の腐敗や変質などの品質劣化に繋がります。また、熱に弱い原料などを使用している場合は、内部劣化が生じ、見た目では判断できない品質低下を引き起こします。
これらのように、繊細な原料や精密な工程が求められる現場において、温度管理はとても大切になってきます。取引先との信用リスクや人的な損失リスクを回避するためにも、暑さ対策を行う必要があるのです。
2.工場の生産性を上げるための適温は?
室温の高さは危険を伴いますが、では実際にどの程度の気温が適切とされているのでしょうか?
厚生労働省監修の「産業医のQ&A」によると、作業の強度にもよりますが、重作業での26.5℃〜軽作業での30.5℃が工場での適温とされています。ただし、これらは許容範囲の基準であり、実際に従業員が感じる快適な温度はもう少し低くなるとされています。
また、25℃から26℃へ上昇すると作業効率が2.1%下がるという研究データもあるため、工場内の生産性を最大化するには、24〜26℃の範囲内に保つことが必要と考えられます。
2.1 大型エアコンだけでは空間全体を涼しくすることは難しい
実際に大型エアコンを導入しているのにも関わらず、先ほどご紹介した適温を保てない工場も少なくないのではないでしょうか?その場合、より効率的な暑さ対策を取り入れることをおすすめします。
大型エアコンや業務用エアコンは工場全体を涼しくするために働きますが、工場の構造の特性上それだけでは工場全体を適温にできない可能性があります。多くの工場は天井が高く、空間面積が広い構造が一般的です。
また、太陽光や製造機器からの熱はとても高温になるため、その広大な範囲を涼しくしようと思うと空調効率が著しく低下してしまい、コストも莫大なものになります。
3.工場の暑さ対策3選
暑さによる影響は、工場で働く人々にとって多くのリスクを与えます。管理側である企業は早急な対応をおこなうことが求められます。ここからは工場の暑さを対策する方法を3つ紹介します。
・スポットで涼しくする機器の導入
・遮熱シートや遮熱塗料の活用
・屋根用スプリンクラーの導入
3.1 スポットで涼しくする機器の導入
まず1つ目に、スポットで涼しくする機器の導入があげられます。従業員のいる場所や作業をおこなう場所をピンポイントで涼しくする機器を導入すれば、大型エアコンだけで涼しくできないところもカバーできるようになります。
工場全体を涼しくするより、スポットで温度を下げることで効率的に適温を作り出せるでしょう。また、スポットで涼しくできる空調機器は移動式のものがほとんどのため、用途に合わせて場所を選べるのも利便性が高いといえるでしょう。
3.2 遮熱シートや遮熱塗料の活用
次に、遮熱シートや遮熱塗料を活用することで、工場内の温度上昇を防ぐことができます。
多くの工場の壁や屋根は、太陽光からの熱を伝えやすいトタンや鉄板でできています。遮熱性のシートや塗料を屋根などに用いることで、断熱効果が期待できます。
また、室内で冷やした空気を外に逃がさない効果もあるので、工場内の温度上昇を抑えながら容易に適温を保つことができます。比較的コストも抑えられ、簡単に導入もできるのでおすすめです。
3.3 屋根用スプリンクラーの導入
最後に、暑さ対策として屋根用のスプリンクラーも有効的です。屋根に取り付けたスプリンクラーから散水し、屋根や壁の熱を冷ますことで工場内の温度を5℃下げることができると言われています。
また、太陽光による熱を下げ、屋根からの熱負荷を下げることで、室内での空調負担も大幅に削減することができます。遮熱シートや遮熱塗料と同じく、断熱効果が期待できる方法になります。ただし、散水用の水道コストが発生するため注意が必要です。
4.移動式エアコンなら「ヒエスポ」がおすすめ
「暑い夏を乗り越えるための冷房設備が欲しい」
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。
冷たい空気は下に溜まってしまう性質があるため、広い空間で冷房をつけても空気はどんどん足元へ向かってしまい、なかなか室内全体が涼しくならないことがあります。しかし、そんなときは「ヒエスポ」の出番です。直進性のある大風量の風を吹くので、特に冷やしたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることができます。
また、冷房を使いながら空間を除湿可能なため、乾いた冷気を浴びながら汗を乾燥させることで体感温度をグッと下げることができます。湿度を下げることは熱中症の予防にも最適です。
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。ぜひ、信越空調の「ヒエスポ」をご検討ください。
5.まとめ
本記事では、工場の暑さ対策の必要性や対策方法について解説しました。
従業員の健康を守りながら、工場の生産性を向上するためにも、企業側の対策はとても重要なものになります。熱中症のような事故・労災を起こさないためにも、工場の暑さ対策は万全にしておきましょう。
もし「冷房機器も効果的なものを導入したい」とお考えの方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。
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