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溶接工場の換気と冷却のポイントは?注意点やおすすめの空調方法もあわせて解説

「溶接の煙や熱で工場内の環境が悪く、従業員の健康や作業効率が気になる』 」 
「夏場は特に暑く、換気と冷房の両立がうまくいかず、何から手を付ければいいかわからない」 
 
溶接工場では、煙やヒュームの排出と、暑熱対策の両方が欠かせません。しかし、換気と冷却をどう組み合わせればよいか迷っている方も多いですよね。 
 
結論として、換気は「局所排気」と「全体換気」を使い分け、冷却は作業範囲と予算に合わせて方法を選ぶとよいでしょう。あわせて、冷気を逃がしすぎない工夫や、フィルターの点検・熱中症対策もおさえておくことが大切です。 
 
本記事では、溶接工場で換気と冷却が必要な理由や、換気と冷却のポイント、実施の際の注意点について解説します。

1. 溶接工場で換気と冷却が必要な理由

溶接工場では、従業員の健康と安全、そして作業効率を守るために、換気と冷却のどちらも欠かせません。ここでは、その理由を3つに分けて説明します。

理由
内容
①溶接煙やヒュームによる健康リスクを防ぐため
煙やヒュームを適切に排気し、吸い込む量を減らす
②労働安全衛生上の義務や基準を満たすため
法令・指針に沿った換気や作業環境の確保
③暑熱環境の改善で作業効率と安全を確保するため
暑さ対策で熱中症や能率低下を防ぐ

それぞれの詳細をひとつずつみていきます。

1.1 理由①溶接煙やヒュームによる健康リスクを防ぐため

溶接時に発生する煙やヒューム(金属の微細な粒子)を、そのまま工場内にため込むと、従業員が吸い込む量が増えて健康リスクが高まります。 
 
溶接ヒュームとは、溶接の際に金属が蒸発・凝固して生じる微細な粒子のことで、吸入すると呼吸器やのどへの負担が大きいとされています。 
 
とくに長時間・長期間のばく露は避けたいため、発生源に近いところで煙を捕集し、屋外へ排気する換気が重要です。 
 
局所排気装置などで煙をしっかり外に出すことで、作業者の呼吸域の濃度を下げ、健康を守ることにつながります。

1.2 理由②労働安全衛生上の義務や基準を満たすため

溶接作業に伴う粉じんやヒュームについては、労働安全衛生法や労働安全衛生規則、関連する指針などで、換気や作業環境の基準が示されています。 
 
たとえば、特定の物質については作業環境測定や濃度の管理が求められる場合があり、局所排気装置の設置や全体換気の実施が、それらの義務や基準を満たすうえで有効です。 
 
業種・使用材料・作業内容によって適用されるルールは異なるため、自社の作業にどの法令・指針が関係するかは、事前に確認しておきましょう。

1.3 理由③暑熱環境の改善で作業効率と安全を確保するため

溶接はアークの熱や加工する金属の熱で周囲の温度が上がりやすく、とくに夏場は工場内が暑くなりがちです。 
 
暑いまま作業を続けると、熱中症のリスクが高まるほか、集中力や作業効率の低下にもつながります。 
 
換気だけでは室温を十分に下げられない場合には、冷却(冷房・送風など)を組み合わせることで、体感温度や実際の室温を下げ、安全で能率のよい作業環境に近づけられます。 
 
換気で煙を減らしつつ、冷却で暑さを和らげるという「両輪」で考えることが大切です。

2. 溶接工場の換気と冷却のポイント

換気と冷却を効果的に取り入れるには、それぞれの「種類」と「選び方」を押さえる必要があります。 
 
ここからは、換気は局所排気と全体換気の使い分け、冷却は作業範囲と予算の考え方を整理します。

2.1 換気は局所排気と全体換気を使い分ける

溶接工場の換気では、局所排気と全体換気の役割の違いを理解し、使い分けることがポイントです。 
 
局所排気とは、溶接の煙やヒュームが広がる前に、発生源の近くでフードやダクトを使って捕集し、屋外へ排気する方式です。煙を効率よく外に出せるため、労働者の呼吸域への影響を抑えやすく、溶接作業にはとくに有効です。 
 
一方、全体換気は、工場全体の空気を入れ替える方式で、窓や換気扇、換気設備などで外気を取り込み、汚れた空気を外に出す方法です。局所排気だけではカバーしきれない広い空間の換気や、補助的な換気として使われます。 
 
溶接ブースや作業台付近では局所排気を優先し、工場全体の空気の流れや臭いが気になる場合は、全体換気を併用する形で検討するとよいでしょう。

2.2 冷却は作業範囲と使える予算を考慮して方法を決める

冷却の方法は、作業範囲の広さと使える予算に応じて選ぶと、無理のない導入がしやすくなります。 
 
作業範囲が限られている場合は、局所空調でその周辺だけを冷やす方法が有効です。初期費用やランニングコストを抑えやすく、溶接作業のように「ここを冷やしたい」というニーズに合いやすいです。 
 
一方、工場全体を冷やしたい場合は、大型の空調設備や換気と組み合わせた全体冷房が必要になりますが、設備費用や電気代は大きくなりがちです。 
 
予算が厳しい場合は、まずは送風機や扇風機で体感温度を下げる方法から始め、必要に応じて局所空調や全体冷房を検討する進め方も現実的です。 
 
作業範囲と予算を整理したうえで、段階的に冷却方法を選びましょう。

3. 換気と冷却をおこなう際に注意する点

換気と冷却を両方おこなう場合、設備の使い方や維持管理、熱中症対策にも気を配ることが大切です。ここでは、とくに押さえておきたい3つの注意点を説明します。

注意点
内容
①冷気や暖気を換気で逃がしすぎないようにする
換気量と冷房・暖房のバランスを考え、必要以上に外気を取り込まない
②フィルターやダクトの清掃・点検をおこなう
目詰まりや劣化を防ぎ、換気・排気の性能を維持する
③熱中症対策も忘れずに実施する
換気・冷却に加え、水分補給・休憩・WBGTなども組み合わせる

それぞれの詳細をひとつずつみていきます。

3.1 注意点①冷気や暖気を換気で逃がしすぎないようにする

換気を強くしすぎると、せっかく冷房や暖房で調整した空気が外に逃げ、室温が安定しにくくなります。その結果、冷房効率が落ちたり、冬場は寒くなりすぎたりする可能性が高いです。 
 
排気量と給気量のバランスを考え、必要以上の換気にしないことが重要となります。局所排気では、溶接煙が作業者の呼吸域に広がらない範囲で、必要な排気量を確保する設計が望ましいです。

全体換気と冷房を併用する場合は、換気扇の運転時間や開閉する窓の面積を調整し、冷気が一気に逃げないようにすると、快適さと換気の両立につながります。

3.2 注意点②フィルターやダクトの清掃・点検をおこなう

局所排気装置や換気設備には、フィルターやダクトが使われています。これらを長く放置すると、ほこりやヒュームで目詰まりし、排気効率が落ちたり、モーターに負荷がかかったりします。 
 
定期的な清掃と点検で、フィルターの交換時期やダクト内の汚れを確認し、必要なときに掃除や部品交換をおこないましょう。こまめに清掃と点検をすることで、換気性能を維持できます。

3.3 注意点③熱中症対策も忘れずに実施する

換気や冷却で環境を整えても、暑い日や作業強度が高い日は、熱中症のリスクが残ります。 
 
設備に頼りきらず、水分・塩分の補給、適切な休憩、WBGT(暑さ指数)の把握など、労働衛生上の熱中症対策もあわせて実施することが大切です。 
 
WBGTとは、気温・湿度・輻射熱を組み合わせた「暑さの指数」で、この値に応じて作業強度や休憩の目安が示されています。換気・冷却で作業環境をよくしつつ、熱中症予防の基本対策も続けることで、夏場の安全な作業につながります。

4. 溶接工場の冷却は局所空調がおすすめ

溶接工場で冷却を検討するときは、局所空調をまず検討するのがおすすめです。 
 
溶接作業は、アークや溶接部の近くがとくに暑く、作業者がいる位置を重点的に冷やせれば、体感温度や集中力の改善につながります。局所空調は、「作業点付近だけを冷やす」用途に適しており、工場全体を冷やすよりも設備費用や電気代を抑えやすいです。 
 
また、換気で外気を多く取り込む工場では、全体冷房だと冷気が逃げやすく効率が悪くなりがちですが、局所空調なら必要な範囲に絞って冷やせるため、換気との両立もしやすくなります。 
 
広い工場や予算に余裕がある場合は全体冷房も選択肢になりますが、多くの溶接工場では、局所空調を中心に考え、必要に応じて送風や全体換気と組み合わせる形が現実的です。

5.局所空調なら信越空調の移動式エアコンがおすすめ!

「効果的に局所空調できる空調設備を取り入れたい」 
「熱中症対策のために局所空調をしたいけど、どの空調機器がいいの?」 
 
そうお考えのあなたは、信越空調の移動式エアコン「ヒエスポ」がおすすめです。 
 
移動式エアコン「ヒエスポ」は、工場のように天井が高く、空間が広い現場でも活躍するよう設計されています。直進性のある大風量の風を吹くので、とくに冷やしたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることが可能です。 
 
また、キャスターで自由に移動できるタイプのため、とくに冷やしたい・暖めたい場所の近くに設置できます。特定のスペースに風を集中させることで無駄なく効率のよい稼働を実現可能です。 
 
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。移動式エアコンの使用を検討したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。

6.まとめ

溶接工場の換気と冷却についておさらいしましょう。

溶接工場の換気と冷却について
ポイント
換気のポイント
局所排気で発生源付近の煙を捕集し、必要に応じて全体換気と組み合わせる
冷却のポイント
作業範囲と予算に応じて、局所空調・全体冷房・送風などから選ぶ 
溶接工場では局所空調がとくに有効
注意点
冷気・暖気を換気で逃がしすぎない、フィルター・ダクトの清掃・点検、熱中症対策(水分・休憩・WBGTなど)の実施

効果的に冷却をしたい場合は、局所空調をまず検討するのがおすすめです。局所空調なら必要な範囲に絞って冷やせるため、換気との両立もしやすくなります。 
 
もし「効果的に局所空調できる空調設備を取り入れたい」とお考えの方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。