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工場で守るべき室温基準とは?事務所との違いや室温基準を満たすための対処法を解説

「工場の室温に法的な基準はある?」   
「法的な基準があるなら何度を守ればいいの?」 
 
工場の温度管理について、法的な基準を確認したいと考えている方も多いですよね。 
 
工場の室温基準は、事務所とは異なる法令が適用されます。

ポイント
内容
適用法令
労働安全衛生法・規則が適用される
事務所との違い
事務所の「18~28℃」は工場にはそのまま適用されない
重要な指標
「室温」だけでなく「作業場の温度・WBGT」も重要

工場には事務所のような一律の室温基準はありません。しかし、高温作業場や熱中症対策、寒冷時の措置など、守るべき基準が定められています。 
 
それぞれの基準を理解し、適切な温度管理を実践することが大切です。 
 
本記事では、工場の室温基準や室温基準を満たすための対処法などについて解説します。

1. 工場の室温に定められた基準はある?

工場の室温基準を理解するためには、まず適用される法令と事務所との違いを押さえる必要があります。 
 
ここからは工場の室温基準の概要について解説します。

1.1 工場の室温は労働安全衛生法・規則で定められている

工場の室温は、「労働安全衛生法」および「労働安全衛生規則」で定められています。 
 
労働安全衛生法とは、労働者の安全と健康を守るための法律です。工場を含むすべての事業場に適用され、事業者に対して労働環境の整備を義務づけています。 
 
工場の温度管理については、労働安全衛生規則の第三編で具体的な基準が定められています。事務所衛生基準規則とは異なり、工場には一律の「18〜28℃」のような室温基準はありません。 
 
代わりに、高温作業場や低温作業場など、作業の種類に応じた基準が設けられています。

1.2 事務所の「18~28℃」は工場にはそのまま適用されない

事務所衛生基準規則では、空調設備がある場合、室の気温を18℃以上28℃以下に努めることが定められています。 
 
しかし、この基準は事務所が対象であり、工場には適用されません。 
 
工場には労働安全衛生規則が適用され、事務所とは異なる基準が設けられています。 
 
工場では、作業の種類や工程によって温度環境が大きく異なります。そのため、一律の室温基準ではなく、作業場の特性に応じた温度管理が必要です。

1.3 工場では「作業場の温度・WBGT」も重要

工場では「室温」だけでなく、作業場の温度やWBGTも重要な指標です。 
 
WBGTとは、「Wet-Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)」の略で、熱中症のリスクを評価する指標のことを指します。 
 
WBGTは気温だけでなく、湿度や輻射熱も考慮した値です。 
 
工場では、高温設備からの輻射熱や、作業による発熱など、室温だけでは把握できない要因があります。そのため、WBGTを測定することで、より正確な熱中症リスクの評価が可能になります。

2. 工場で押さえるべき室温・温度関連の基準3つ

工場で押さえるべき室温・温度関連の基準は、主に3つあります。 
 
以下の基準を確認しましょう。 
 
基準①高温の作業場では「37℃以下」などの制限がある 
基準②熱中症対策:WBGT 28℃・気温31℃以上で対策が義務に 
基準③寒冷時は「10℃以下」で暖房等の措置が求められる 

 
それぞれの詳細をひとつずつみていきます。

2.1 基準①高温の作業場では「37℃以下」などの制限がある

労働安全衛生規則では、高温の作業場に対して温度制限が定められています。 
 
坑内作業では、気温を37℃以下に保つことが義務づけられています。(ただし人命救助などの緊急時を除く) 
 
また、専属産業医の選任が必要な条件として、以下のいずれかに該当する作業場が定められています。 
 
・乾球温度40℃以上 
・湿球温度32.5℃以上 
・黒球温度50℃以上 
 
これらの基準は、とくに高温環境での作業における労働者の安全を守るためのものです。

2.2 基準②熱中症対策:WBGT 28℃・気温31℃以上で対策が義務に

令和7年6月1日から、熱中症対策が強化されました。 
 
WBGT 28℃または気温31℃以上の環境で、継続1時間以上または1日4時間を超える作業をおこなう場合、事業者に以下の対策が義務づけられています。 
 
・熱中症対策の体制整備 
・緊急時対応の手順の明確化 
・作業環境の管理 
 
これらの対策は、労働者の熱中症を防ぐために重要なものです。 
 
WBGTや気温を定期的に測定し、基準を超える場合は適切な対策を講じる必要があります。 
 
出典:職場における熱中症対策の強化について(令和7年6月1日施行)

2.3 基準③寒冷時は「10℃以下」で暖房等の措置が求められる

寒冷時には、暖房などの温度調節措置が必要です。 
 
事務所衛生基準規則では、室温が10℃以下の場合、暖房などの適切な温度調節措置を講じるよう努めることが定められています。 
 
これは工場でも同様の考え方で運用される場合があります。 
 
寒冷環境での作業は、凍傷や低体温症のリスクがあります。 
 
そのため、室温が10℃以下になる場合は、暖房設備の設置や作業服の見直しなどの対策が必要です。

3. 工場の室温基準を満たすための対処法4選

工場で働く労働者のために、企業は適切な温度管理が求められます。工場の室温基準を満たすためには、以下の4つの対処法が効果的です。 
 
・現状の温度・WBGTの把握と記録 
・空調機器や換気の整備 
・休憩場所の冷房・暖房確保 
・作業時間・休憩の見直しと水分・塩分補給 

 
それぞれ詳しく解説します。

3.1 現状の温度・WBGTの把握と記録

まず、現状の温度やWBGTを把握し、記録することが重要です。温度計やWBGT測定器を使用して、定期的に測定をおこないましょう。 
 
測定結果は記録として残し、3年間保存する必要があります。 
 
作業環境測定が義務づけられる作業場では、半月以内ごとに1回の測定が義務づけられています。 
 
測定結果を分析することで、問題のある作業場を特定し、優先順位をつけて対策を講じることが可能です。

3.2 空調機器や換気の整備

工場全体を空調するのは、コストが高く現実的ではない場合があります。 
 
そのため、「局所的な空調」がおすすめです。 
 
たとえば、夏の暑い時期には、局所的に冷房ができる機器を高温になりやすい作業場に設置します。必要な箇所にピンポイントで空調をかけることで無駄なエネルギー消費を抑え、必要な場所を集中的に快適にすることが可能です。 
 
また、換気設備を整備することで、熱がこもるのを防げます。

3.3 休憩場所の冷房・暖房確保

作業場の温度管理と合わせて、休憩場所の冷房・暖房確保も重要です。 
 
労働安全衛生規則では、休憩場所の設置が定められています。 
 
休憩場所には、冷房や暖房設備を設置し、作業者が身体を休められる環境を整えましょう。 
 
とくに夏場は、涼しい休憩場所を確保することで、熱中症のリスクを大幅に減らせます。

3.4 作業時間・休憩の見直しと水分・塩分補給

作業時間や休憩時間を見直し、水分・塩分補給の体制を整えることも大切です。 
 
WBGTや気温が高い場合は、作業時間を短縮したり、休憩時間を増やしたりする必要があります。 
 
また、水分・塩分補給のための設備を整備しましょう。冷水機や冷蔵庫を設置し、スポーツドリンクや塩飴などを常備します。 
 
作業者に対して、定期的な水分補給を促すことも重要です。

4. 工場の空調には移動式エアコンがおすすめ

工場は、適切な温度管理をおこなうことが求められますが、常設型の業務用エアコンを設置するとなるとかなり高額になってしまいます。企業としての予算が限られているなかで、大型の空調設備整備に予算を確保することが難しいのが正直なところです。 
 
そこでおすすめなのが「移動式エアコン」です。

移動式エアコンがおすすめの理由
詳細
①工事が不要で手軽に導入できる
・本体のプラグをコンセントにつなぐだけで利用可能 
・既存の建物に大規模な工事が不要で、設置場所を選ばず必要な場所に設置可能
②快適な温度を保つ一定のエリアを作れる
とくに冷やしたい・暖めたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作れる
③冷暖房性能が高い
業務用で利用されることを想定しているため、高い冷房能力・暖房能力を備えているものが多い
④一年を通して利用可能
冷房、暖房、除湿機能がついた多機能モデルが多いため、一年を通して活用できる
⑤導入コストが比較的安い
大型の業務用エアコンより格段に導入コストやランニングコストが抑えられる

移動式エアコンは工事が不要で、本体のプラグをコンセントにつなぐだけでその日から使用できます。 
 
一般的にキャスターで自由に移動できるタイプのため、とくに冷やしたい・暖めたい場所の近くに設置でき、特定のスペースに風を集中させることで無駄なく効率のよい稼働を実現可能です。 
 
機種にもよりますが、移動式エアコンは業務用で利用されることを想定しているため、高い能力を備えているものが多くなっています。さまざまなサイズ・冷房・暖房能力を備えているものがあるため、工場や倉庫の大きさ・構造を考慮したうえで、最適なものを設置するのがおすすめです。 

5.移動式エアコンなら信越空調の「ヒエスポ」

「性能の高い移動式エアコンが欲しい」 
「効果的に局所空調できる空調設備を取り入れたい」 
 
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。ヒエスポは、工場のように天井が高く、空間が広い現場でも活躍するよう設計されています。直進性のある大風量の風を吹くので、とくに冷やしたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることが可能です。 
 
一番小さいサイズで2.8kW、一番大きいサイズで14.0kwの能力を備えており、環境にあわせて幅広い能力から選ぶことが可能です。 
 
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。移動式エアコンの使用を検討したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。

6. まとめ

工場の室温基準についておさらいしましょう。

ポイント
内容
適用法令
労働安全衛生法・規則が適用される
事務所との違い
事務所の「18~28℃」は工場にはそのまま適用されない
重要な指標
高温作業場37℃以下、WBGT 28℃・気温31℃以上で対策義務、寒冷時10℃以下で暖房等

工場には事務所のような一律の室温基準はありません。しかし、高温作業場や熱中症対策、寒冷時の措置など、守るべき基準が定められています。 
 
それぞれの基準を理解し、適切な温度管理を実践することが大切です。工場の室温基準を満たすために、以下の対処法をおこないましょう。 
 
・現状の温度・WBGTの把握と記録 
・空調機器や換気の整備 
・休憩場所の冷房・暖房確保 
・作業時間・休憩の見直しと水分・塩分補給 

 
もし、工場に効果的な空調機器を導入したい方は、移動式エアコンがおすすめです。移動式エアコンの導入を検討したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。