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工場の適切な湿度は?工場の湿度管理が重要な理由や季節別の湿度対策方法を解説

「工場内がジメジメして、熱中症にならないか心配…」 
「除湿や加湿をしたほうがいいんだろうけど、どこまでやればいいかわからない……」 
 
工場の湿度は、製品の品質や従業員の作業環境に直結するため、高すぎても低すぎてもトラブルのもとになります。こうした悩みを抱えている方も多いですよね。 
 
湿度の悩みを解消するには、業種に合った適正範囲を決め、原因に応じた対策を取ることが大切です。

工場での悩み
取り組みのポイント
工場の湿度が高くて困っている
法令(労働安全衛生規則)の確認、適正値の把握、夏を中心とした除湿対策
工場の湿度が低くて困っている
冬を中心とした加湿、静電気・品質への影響を踏まえた目標湿度の設定
湿度の適正値や対策がわからない
業種別の目安(一般・精密・食品・倉庫など)の確認、季節別の除湿・加湿の検討

適正湿度は業種によって異なります。一般作業では40~60%、精密・電子では40~50%など、目安を押さえたうえで測定・記録し、夏は除湿・冬は加湿を意識すると湿度管理を続けやすくなります。 
 
また、除湿を伴う冷房ができる移動式エアコンなど、湿度面でメリットのある空調を選ぶことも有効です。 
 
本記事では、工場の湿度管理が重要な理由や適正湿度の目安、工場の湿度対策(季節別)について解説します。

1. 工場の湿度管理が重要な理由

工場では、湿度の管理が製品の品質や従業員の働く環境に直結します。工場の湿度を適切に保つことは、以下の3つの面からとても重要です。 
 
・労働安全衛生規則の義務 
・製品品質の維持 
・従業員の健康と作業環境 

 
それぞれ詳しく解説します。

1.1 労働安全衛生規則の義務

工場などの屋内作業場では、労働安全衛生規則に基づき、一定の条件下で温湿度の調節が義務づけられています。

第606条
事業者は、多湿の作業場について、調湿装置の設置など湿度を調節する措置を講じる必要がある
第607条
工場のような作業場では、半月に1回以上湿度を測定し、その結果を記録しておくことが求められる

「多湿」の定義や具体的な数値は規則に明示されていませんが、厚生労働省の通達などでは相対湿度がおおむね80%を超える場合などに該当すると解釈されるケースがあります。 
 
湿度が高くなりやすい工場では、測定と記録、必要に応じた除湿などの措置がコンプライアンス上も重要です。

1.2 製品品質の維持

高湿度
金属のサビ、紙・木材の反り・変形、カビの発生、塗装・接着の不良、電子部品の結露による故障など
低湿度
紙・繊維の縮み・反り、静電気によるほこり付着・電子機器の誤動作、印刷の品質低下など

湿度は、製品の見た目・寸法・機能に影響します。

業種に合った湿度範囲に保つことで、不良率の低減や歩留まりの改善が期待できます。

1.3 従業員の健康と作業環境

湿度は、従業員の体調や作業しやすさにも関わります。

高湿度
蒸し暑さによる熱中症リスクの増加、汗が乾きにくく不快感が増す、カビ・ダニによるアレルギーや呼吸器への影響
低湿度
のどや鼻の乾燥、目や肌の乾燥、静電気によるストレス、風邪などの感染症が広がりやすい環境になりやすい

適正な湿度に保つことは、快適で安全な作業環境づくりの土台になります。

2. 工場の適正湿度の目安【業種・作業別】

適正な湿度は、業種・作業内容・取り扱うものによって異なります。

工場の詳細
適正湿度の目安
一般的な工場(事務・軽作業など)
40〜60%
精密機器・電子部品を扱う工場
40〜50%
食品工場(調理・加工・保存)
70%以下
倉庫・保管エリア
60%以下

自社工場の目安を決める際の参考にしてください。

2.1 一般的な工場(事務・軽作業など)

事務作業や軽い組立・加工など、特別な温湿度条件が求められない工場では、おおむね40〜60%が法的な目安として示されることが多いです。 
 
この範囲であれば、過度な乾燥や多湿を避け、従業員の体感や一般的な資材の保管にも無理が少ないとされています。 
 
まずはこの帯を目標に測定・記録を始め、季節や場所でばらつきが大きい場合は除湿・加湿を検討するとよいでしょう。

2.2 精密機器・電子部品を扱う工場

精密機器や電子部品を扱う工場では、40〜50%程度の湿度管理が目安になります。 
 
50%を超えると、金属のサビや結露による回路のショート、腐食のリスクが高まります。 
 
一方で40%を下回ると、静電気が発生しやすくなり、電子部品の破壊や誤動作、ほこり付着による不良の原因になります。 
 
そのため、高すぎず・低すぎない中間帯で管理することが重要です。必要に応じて加湿器・除湿機や空調で調整し、測定記録を残しましょう。

2.3 食品工場(調理・加工・保存)

食品工場では、高温多湿を避けることが基本です。 
 
調理・加工場では多くの場合、70%以下を目安とする考え方が多く、換気や除湿で湿度を下げることでカビや食中毒菌の増殖を抑えます。 
 
保存・保管エリアでは温度とあわせて湿度を管理し、結露やカビによる品質劣化を防ぎます。 
 
業界ごとの指針やHACCPなどの管理基準がある場合は、それに合わせて目標湿度を設定してください。

2.4 倉庫・保管エリア

倉庫や保管エリアでは、結露・カビ・サビを防ぐことが目的になります。 
 
倉庫のような場所は、外気の影響を受けやすく、昼夜や季節で温度差が大きいと結露しやすいです。そのため、換気や除湿で湿度を下げる対策が有効となります。 
 
目安としては60%以下、可能であれば50%前後を目標にするケースが多く、ダンボールや金属製品の保管にも適した環境になります。 
 
保管品の種類(紙・金属・食品など)に応じて、業界の慣行やメーカー推奨を参考に目標値を決めるとよいでしょう。

3. 工場で湿度が高くなる・低くなる原因と起きやすいトラブル

工場において湿度が適正範囲から外れると、作業員たちの健康を損ねたり、製品の品質低下を引き起こしたりなど、さまざまなトラブルがあります。 
 
ここからは工場で湿度が高くなる・低くなる原因と起きやすいトラブルについて解説します。

3.1 工場で湿度が上がりやすい・下がりやすい原因

工場では、湿度が高すぎる場合・低すぎる場合、それぞれに原因があります。

湿度が上がりやすいおもな原因
・窓が少ない、換気が不十分で湿気がこもる 
・空調や除湿設備の能力不足、または未設置 
・天井が高く、間仕切りが少ないため空気が循環せず、上部に湿気がたまる 
・ダンボールや木材など、湿気を吸いやすい資材の保管量が多い 
・コンクリートや新建材から水分が放出されている(竣工直後など) 
・外気が多湿な日や、雨・梅雨時に窓や扉の開閉で湿気が入り込む
湿度が下がりやすいおもな原因
・暖房や製造設備の稼働で室温が上がり、相対湿度が下がる(冬場に顕著) 
・加湿器が未設置、または能力・台数・配置が不足している 
・外気が乾燥している季節に換気すると、室内も乾燥しやすい 
・加湿器のメンテナンス不足(フィルターやノズルの詰まりなど)で能力が落ちている 
・大型の送風機などで、加湿した空気が室外に排気されてしまう

原因を把握しておくと、除湿・加湿・換気・空調のどの対策を優先するか判断しやすくなります。

3.2 高湿度・低湿度で起こるトラブル

工場では、湿度が高すぎても、低すぎてもいけません。高湿度・低湿度のどちらにおいても、さまざまなトラブルの原因となるため、注意が必要です。

高湿度で起こりやすいトラブル
カビ・サビ:設備・建物・製品の劣化、見た目の悪化 
 
結露:天井・壁・床・配管に水滴が付き、塗装の剥離や錆の進行、転倒・滑りなどの危険 
 
製品品質の低下:紙・木材の反り、金属の腐食、塗装・接着の不良、電子機器の故障 
 
従業員への悪影響:蒸し暑さ、熱中症リスクの増加、カビやダニによる健康被害 
 
生産効率の低下:不快感による集中力の低下、設備の不具合や清掃・修理の増加
低湿度で起こりやすいトラブル
静電気:電子機器の誤動作・破壊、紙詰まり、印刷不良、ほこりやゴミの付着 
 
紙・繊維の伸縮・反り:寸法ずれや見た目の不良 
 
従業員への影響:のど・目・肌の乾燥、ドライスキン、感染症が広がりやすい環境 
 
浮遊粉塵の増加:乾燥で粉塵が舞いやすくなり、清掃や品質管理の負荷が増える

高湿度・低湿度のどちらにも対応できるよう、季節や工程に合わせた対策を検討することが大切です。

4. 【季節別】工場の湿度対策

工場では、湿度の管理が製品の品質や従業員の働く環境に直結します。そのため、自社の工場の適正湿度を見定め、季節に合わせた湿度対策を実施することが重要です。

季節
湿度対策
・換気の見直し 
・除湿機の活用 
・除湿剤の補助利用 
・結露対策との連動
・加湿器の設置 
・配置と台数 
・メンテナンス 
・過加湿に注意

ここからは季節別の工場の湿度対策について解説します。

4.1 夏の除湿のポイント

夏は外気の湿度が高く、窓や扉から湿気が入りやすいため、除湿を中心に考えます。

ポイント
詳細
換気の見直し
・窓の開け閉めを減らし、必要なときだけ外気を取り込む 
・換気扇の稼働時間や台数で湿気の侵入量を調整する
除湿機の活用
小さいエリアなら据え置き型の除湿機、広い空間なら業務用除湿機や除湿機能付き空調で湿度を下げる
除湿剤の補助利用
クローゼットやキャビネット内、局所的に湿気が気になる場所に除湿剤を置く(あくまで補助)
結露対策との連動
除湿だけでなく、断熱や気流の改善で結露を防ぐと、カビやサビの抑制につながる

測定記録をとり、どの時間帯・どのエリアで湿度が上がるかを把握すると、除湿機の配置や運転時間の最適化に役立ちます。

4.2 冬の加湿のポイント

冬は暖房や機器の稼働で室温が上がり、外気も乾燥しているため、相対湿度が下がりやすい時期です。加湿で静電気や乾燥によるトラブルを防ぎましょう。

ポイント
詳細
加湿器の設置
蒸気式・気化式・スプレー式など、広さと予算に合わせて選ぶ
配置と台数
・広い工場では複数台を分散配置し、偏りなく加湿する 
・空気の流れ(送風機や空調)を考慮すると効果的
メンテナンス
水垢やスケールで能力が落ちないよう、定期的に手入れする(タンクやフィルターの清掃・交換を忘れずに)
過加湿に注意
加湿しすぎると結露やカビの原因になるため、湿度計で確認しながら50%前後を上限に調整する

冬場は静電気や紙・繊維のトラブルが増えやすいため、加湿の有無で体感や不良の出方に差が出るか、記録をとって比較してみるとよいでしょう。

5. 工場の空調には移動式エアコンがおすすめ

工場は、適切な湿度管理をおこなうことが求められますが、業務用エアコンだけでは快適な湿度にならないケースが多いです。 
 
もちろん業務用エアコンは広い空間を快適な環境にすることに長けていますが、夏の猛暑のような環境では、どうしても快適な温度・湿度にならないエリアができてしまいます。 
 
工場は天井が高く、空間面積が広い構造が一般的で、広大な空間を冷却しようとすると空調効率が著しく低下してしまいます。そのため夏の暑い時期は、工場内に熱が篭りやすくなり、適切な温度・湿度にならないエリアが発生してしまうのです。 
 
ただ、「適切な温度・湿度にならないエリアが発生してしまう」という問題は、特定のエリアに定めて空調ができるような設備を取り入れることで解決できます。 
 
そこでおすすめなのが「移動式エアコン」です。
 
工場で温度とあわせて湿度を整えたい場合、移動式エアコンは次のような点で役立ちます。

移動式エアコンがおすすめの理由
詳細
①冷房と除湿が同時におこなえる機種が多い
移動式エアコンは室内の空気を冷やす過程で水分を凝縮させ、その水分を排水または排気とともに室外へ出す
冷房運転そのものが除湿になるため、夏場の高湿度対策に適している

冷風を送るだけのスポットクーラー(水や氷で冷やすタイプ)は、室内の湿度を下げず、場合によっては湿度が上がることもあるが、移動式エアコンは除湿しながら冷房できるため、湿度面で有利
②必要な場所に置いて除湿できる
配管工事が不要で、コンセントがあればすぐに使用可能
湿気がたまりやすい角や熱源の近く、倉庫の一角など、湿度が高いエリアにピンポイントで配置できるため、広い工場でも局所的な除湿に使いやすい
③季節やレイアウトに合わせて動かせる
据え付け型の空調と違い、設置場所を変えられるため、夏は湿気の多いエリアに、冬は使わないなど、季節や生産ラインの変更に合わせて運用可能

このように、移動式エアコンは除湿を伴う冷房で工場の湿度を下げるのに適しており、設置の柔軟さも湿度対策の選択肢を広げます。 
 
既存の空調がなくても、または足りない場所の補完として、湿度管理の一手段として検討する価値があります。

6.移動式エアコンなら信越空調の「ヒエスポ」

「性能の高い移動式エアコンが欲しい」 
「効果的に局所空調できる空調設備を取り入れたい」 
 
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。ヒエスポは、工場のように天井が高く、空間が広い現場でも活躍するよう設計されています。直進性のある大風量の風を吹くので、とくに冷やしたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることが可能です。 
 
一番小さいサイズで2.8kW、一番大きいサイズで14.0kwの能力を備えており、環境にあわせて幅広い能力から選ぶことが可能です。 
 
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。移動式エアコンの使用を検討したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。

7.まとめ

工場の湿度管理についておさらいしましょう。

工場での悩み
取り組みのポイント
工場の湿度が高くて困っている
法令(労働安全衛生規則)の確認、適正値の把握、夏を中心とした除湿対策
工場の湿度が低くて困っている
冬を中心とした加湿、静電気・品質への影響を踏まえた目標湿度の設定
湿度の適正値や対策がわからない
業種別の目安(一般・精密・食品・倉庫など)の確認、季節別の除湿・加湿の検討

適正湿度は業種によって異なります。湿度が乱れる原因(換気不足・空調不足・暖房・加湿不足など)を把握し、夏は除湿・冬は加湿を中心に季節に合わせた対策をおこないましょう。 
 
必要に応じて移動式エアコンなど除湿効果のある空調も検討することで、工場内の湿度を適切に保ちやすくなります。 
 
もし、工場に効果的な空調機器を導入したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。