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【企業向け】暑さ指数WBGTとは?職場の熱中症対策と活用のポイント

「暑さ指数(WBGT)って、気温と何が違うの?」   
「職場の熱中症対策で、暑さ指数をどう取り入れればいいかわからない」 
 
屋外作業や工場・倉庫など、暑い環境で働く現場を持つ企業では、暑さ指数の活用に悩む担当者の方も多いですよね。 
 
暑さ指数は気温だけでなく、湿度や日射・輻射熱も含めた「身体が感じる暑さ」の目安です。数値の意味と確認のしかたを押さえておくと、熱中症予防に役立ちます。 
 
とくに企業においては「安全配慮義務」として、従業員のための熱中症対策をおこなうことが義務付けられています。製造業の企業や、工場・倉庫などでの作業が伴う企業は、暑さ指数を活用して十分な暑さ対策をおこないましょう。 
 
本記事では、暑さ指数(WBGT)の概要や確認方法、職場での活用のポイントを解説します。

1.暑さ指数(WBGT)とは?

暑さ指数(WBGT)は、労働安全衛生の分野で国際的に使われており、作業環境の評価や休憩・作業時間の目安づくりに役立ちます。 
 
まずは、暑さ指数の概要について理解しましょう。

1.1 暑さ指数は熱中症予防のための指標

暑さ指数(WBGT)とは、熱中症を予防することを目的に、1954年にアメリカで提案された指標です。 
 
労働環境やスポーツ環境での「暑熱ストレスの評価」に使われることが多く、ISO 7243やJIS Z 8504(労働者の熱ストレスに関する指数)として規格化されています。 
 
日本では環境省が熱中症予防のための実況・予測情報を提供しており、職場の熱中症対策においても、作業環境の評価や作業・休憩の目安づくりに活用できる指標です。 
 
気温は「℃」で表されますが、暑さ指数は気温だけでなく、湿度や輻射熱を加味した「身体への熱負担」の目安です。そのため、屋外作業や高温の室内作業など、熱中症リスクが高い現場では、気温よりも暑さ指数を基準にした対策が推奨されています。

1.2 気温ではなく身体の熱バランスを表す値である

暑さ指数は「身体の熱バランス」を反映するように設計された値です。 
 
現場では、気温がそれほど高くなくても湿度が高いと汗が蒸発しにくく、身体に熱がこもりやすくなります。また、直射日光や機械・床面からの輻射熱があると、身体が受ける熱負担は気温計の示す値より大きくなります。 
 
暑さ指数は、こうした気温・湿度・輻射熱を組み合わせて「作業者が受ける熱ストレス」に近い形で表したものです。 
 
そのため、作業計画や休憩基準を決める際は、気温ではなく暑さ指数を参照する方が、熱中症予防の観点から合理的です。

2.暑さ指数の3つの要素【湿度・輻射熱・気温】

暑さ指数は、作業環境の熱ストレスに影響する3つの要素から算出されます。

要素
詳細
湿度
湿度が高いと身体の放熱がしづらくなる
輻射熱
日射や地面からの輻射熱が身体を温める
気温
気温は身体まわりの熱環境の基本となる

それぞれの詳細をひとつずつみていきます。

2.1 要素①湿度が高いと身体の放熱がしづらくなる

湿度が高いと、汗の蒸発が妨げられ、身体から熱が逃げにくくなります。 
 
労働者は汗が蒸発するときの気化熱で体を冷やしています。空気中の湿度が高いと蒸発しにくく、同じ作業強度でも体温が上がりやすいです。 
 
工場内や倉庫、梅雨明けの屋外など、湿度が高くなりやすい環境では、暑さ指数が気温以上に高く出ることが多く、休憩や水分・塩分の補給を手厚くする必要があります。 
 
現場ごとに「いつもより蒸し暑い」と感じる日は、環境省の暑さ指数や現場のWBGT計測値をとくに重視し、作業時間の短縮や休憩の追加を検討しましょう。

2.2 要素②日射や地面からの輻射熱が身体を温める

日射や地面・建物・機械などからの輻射熱も、身体を温める要因です。 
 
屋外では直射日光やアスファルト・コンクリートからの輻射熱が、屋内では高温の機械や床・天井からの輻射熱が、身体の表面に熱を加えます。 
 
こうした熱は普通の気温計には十分反映されません。そのため、屋外作業や高温の室内作業では、暑さ指数(黒球温度を考慮した値)を参照した方が実際の熱負担に近い評価ができます。 
 
日陰と日向、空調の有無、機械の稼働状況などで環境は大きく変わります。同じ敷地内でも場所によって指数が異なる場合は、作業エリアごとの対策や、熱源からの距離・遮へいの検討が有効です。

2.3 要素③気温は身体まわりの熱環境の基本となる

気温は、身体のまわりの空気の温度であり、熱の出入りの基本となる要素です。 
 
気温が高いほど身体から空気へ熱が移りにくく、作業者の体温が下がりにくくなります。暑さ指数では、この気温を「乾球温度」として、湿度(湿球温度)や輻射熱(黒球温度)と組み合わせて計算しています。 
 
気温だけでは「蒸し暑さ」や「輻射熱の強さ」は分かりませんが、暑さ指数は3要素を合わせて評価するため、作業環境の管理指標として使いやすいといえます。現場の温度計の値とあわせて、暑さ指数の実況や予測を確認する習慣をつけると、対策の判断がしやすくなります。

3.暑さ指数の値の見方と警戒レベルの目安

暑さ指数の数値ごとに、環境省などでは「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」といった段階で目安が示されています。 
 
職場では、この区分を参考に作業の実施可否・休憩の目安を決めるとよいでしょう。

暑さ指数
目安
職場で心掛けること
21未満
ほぼ安全
・作業強度が高い場合は、休憩と水分・塩分の補給をあらかじめ計画しておく
・体調不良者や暑さに慣れていない労働者がいる場合は、無理のない作業配分にする
25以上28未満
警戒
・定期的な休憩と水分・塩分の補給をルール化し、現場で徹底する
・休憩所を日陰や冷房の効いた場所に設ける
・作業時間を区切ってこまめな休憩を入れる
28以上31未満
厳重警戒
・強度が高い作業や長時間の作業は避ける
・作業時間帯を朝夕にずらす
・作業時間を短縮する
31以上
危険
・屋外作業や高温の室内作業は、原則として中止する
・やむを得ない場合でも最小限の時間・人数に抑える
・十分な休憩と水分・塩分補給をおこなう
・こまめに体調管理をおこなう

現場管理者は、当日の暑さ指数の予測を朝のうちに確認し、区分に応じた作業内容の見直しや中止の判断を事前に検討しておくと、労働者の安全を守りやすくなります。

4.暑さ指数の確認方法と活用のポイント

職場で暑さ指数を活用するには、公的な情報の確認方法と、作業計画への反映のしかたを押さえておきましょう。

項目
内容
環境省の熱中症予防サイトで実況と予測を確認できる
全国の実況値・予測値を作業計画の参考にできる
屋外作業や工場内作業では事前に指数をチェックする
当日朝に指数を確認し、休憩・作業時間を決める
指数が高くなる時間帯は活動をずらすか短縮する
作業を朝夕にシフトしたり、厳しい時間帯は休憩中心にする

それぞれの詳細をひとつずつみていきます。

4.1 環境省の熱中症予防サイトで実況と予測を確認できる

暑さ指数の公式な情報は、環境省の「熱中症予防情報サイト」で確認できます。 
 
全国の観測地点ごとに実況値と、当日・翌日などの予測値が公開されているため、現場の所在地に近い地点のデータを、作業計画や朝のミーティングで共有すると有効です。 
 
パソコンやスマートフォンでアクセスでき、複数拠点を持つ企業でも、拠点ごとの指数を把握しやすくなります。 
 
予測値を活用すれば、「午後は厳重警戒になりそうなので、午前中に屋外作業を終える」といった事前のスケジュール調整が可能です。安全衛生担当や現場責任者が毎朝チェックし、その日の作業方針を決める習慣をつけるようにしましょう。

4.2 屋外作業や工場内作業では事前に指数をチェックする

屋外作業や、冷房のない工場・倉庫などで作業をおこなう場合、当日の暑さ指数を事前に確認しておくことが重要です。 
 
作業開始前にその日の予測値と実況値を確認し、警戒レベルに応じて休憩の回数・時間・場所、水分・塩分の補給タイミングを決めておくと、熱中症を防ぎやすくなります。 
 
WBGTは労働安全衛生の分野でも広く使われており、厚生労働省の「熱中症予防のための労働衛生管理」などの指針では、暑さ指数に応じた作業・休憩の目安が示されています。 
 
「いつもと同じ」と油断せず、その日の指数に合わせて作業の強度や時間を調整し、必要に応じて作業の中止や延期も検討することが、企業の安全衛生管理として求められます。

4.3 指数が高くなる時間帯は活動をずらすか短縮する

暑さ指数は1日の中で変動し、多くの場合午後2時前後に高くなりやすいです。 
 
屋外作業や高温室内での作業は、可能な範囲で「朝夕の涼しい時間帯」に実施し、指数がピークになる時間帯は休憩を中心にする、あるいは作業時間を短縮するといった運用が有効です。 
 
環境省の予測値を確認し、「今日は午後から厳重警戒になる」といった情報を、前日や当日朝の段階で作業計画に反映させましょう。 
 
建設業や運輸業、製造業など、業種によって完全な時間帯の変更が難しい場合でも、ピーク時間帯の作業を最小限に抑える・ローテーションで一人あたりの暴露時間を減らすなどの工夫で、熱中症リスクを下げることができます。

5.工場の空調には移動式エアコンがおすすめ

企業は、暑さ指数を用いて適切な環境管理をおこなうことが求められますが、業務用エアコンだけでは快適な温度・湿度にならないケースが多いです。 
 
もちろん業務用エアコンは広い空間を快適な環境にすることに長けていますが、夏の猛暑のような環境では、どうしても快適な温度・湿度にならないエリアができてしまいます。 
 
工場は天井が高く、空間面積が広い構造が一般的で、広大な空間を冷却しようとすると空調効率が著しく低下してしまいます。そのため夏の暑い時期は、工場内に熱が篭りやすくなり、適切な温度・湿度にならないエリアが発生してしまうのです。 
 
ただ、「適切な温度・湿度にならないエリアが発生してしまう」という問題は、特定のエリアに定めて空調ができるような設備を取り入れることで解決できます。 
 
そこでおすすめなのが「移動式エアコン」です。

移動式エアコンがおすすめの理由
詳細
①工事が不要で手軽に導入できる
・本体のプラグをコンセントにつなぐだけで利用可能
・既存の建物に大規模な工事が不要で、設置場所を選ばず必要な場所に設置可能
②快適な温度を保つ一定のエリアを作れる
とくに冷やしたい・暖めたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作れる
③冷暖房性能が高い
業務用で利用されることを想定しているため、高い冷房能力・暖房能力を備えているものが多い
④一年を通して利用可能
冷房、暖房、除湿機能がついた多機能モデルが多いため、一年を通して活用できる
⑤導入コストが比較的安い
大型の業務用エアコンより格段に導入コストやランニングコストが抑えられる

機種にもよりますが、移動式エアコンは業務用で利用されることを想定しているため、高い能力を備えているものが多くなっています。

さまざまなサイズ・冷房・暖房能力を備えているものがあるため、工場や倉庫の大きさ・構造を考慮したうえで、最適なものを設置するのがおすすめです。

6.工場や職場の熱中症対策には信越空調の「ヒエスポ」がおすすめ

「性能の高い移動式エアコンが欲しい」 
「効果的に局所空調できる空調設備を取り入れたい」 
 
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。ヒエスポは、工場のように天井が高く、空間が広い現場でも活躍するよう設計されています。直進性のある大風量の風を吹くので、とくに冷やしたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることが可能です。 
 
一番小さいサイズで2.8kW、一番大きいサイズで14.0kwの能力を備えており、環境にあわせて幅広い能力から選ぶことが可能です。 
 
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。移動式エアコンの使用を検討したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。

7.まとめ

暑さ指数の確認方法と活用のポイントをおさらいしましょう。

項目
内容
環境省の熱中症予防サイトで実況と予測を確認できる
全国の実況値・予測値を作業計画の参考にできる
屋外作業や工場内作業では事前に指数をチェックする
当日朝に指数を確認し、休憩・作業時間を決める
指数が高くなる時間帯は活動をずらすか短縮する
作業を朝夕にシフトしたり、厳しい時間帯は休憩中心にする

暑さ指数は、職場の熱中症対策を進めるうえで、作業環境の評価と対策の判断材料として有用な指標です。安全衛生担当や現場管理者の方は、環境省の情報や自社の作業実態に合わせて暑さ指数を活用し、労働者の健康確保に役立ててください。 
 
もし、工場に効果的な空調機器を導入したい方は、移動式エアコンがおすすめです。移動式エアコンの導入を検討したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。