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気化式冷風機とは?導入のメリットやデメリットを解説

近年の日本の夏は年々暑さが厳しくなっており、その対策として「気化式冷風機」が注目されています。 
 
水の蒸発による冷気を利用するこの機器は、エアコンに比べて電気代を抑えられるうえ、身体への負担も少ないといった利点があります。しかし、クーラーや扇風機との違いや、どのような環境に適しているのかを理解せずに導入してしまう例も少なくありません。 
 
本記事では、気化式冷風機の特徴やメリット・デメリットについて解説します。

1.気化式冷風機とは?

気化式冷風機は、水が蒸発する際に周囲の熱を奪う「気化熱」の仕組みを活用して冷風を発生させる装置です。 
 
内部のフィルターや冷却パッドに水を染み込ませ、そこに風を通すことで空気を冷やし、冷風を特定の場所へ届けることが可能になります。 
 
エアコンのように冷媒ガスやコンプレッサーを使用しないため、かなり消費電力が少ないです。そのため、あまり電気代がかかりません。 
 
また、加湿効果もあるため空気が乾燥しにくく、「エアコンだと空気が乾燥するのが苦手」という人にも適しています。

1.1 エアコンや扇風機との違い

気化式冷風機は、その仕組みや冷却効果の面で、エアコンや扇風機と明確な違いがあります。 
 
扇風機は空気を動かすだけで、温度そのものを下げる効果はありません。それに対して、気化式冷風機は水の蒸発による冷却作用によって空気自体を冷やすため、より涼しく感じられます。 
 
また、エアコンは冷媒ガスとコンプレッサーを使用することで、室内全体を冷却する強力な装置ですが、設置や電気代の面で負担が大きいのが難点です。それに対して、気化式冷風機は設置がかんたんで初期コストも抑えやすくなっています。ただし、エアコンのように室温を大きく下げることは難しいです。

2.気化式冷風機のメリット

「気化熱」の仕組みを活用して冷風を発生させる気化式冷風機は、かなり手軽な暑さ対策として効果的です。ここからは気化式冷風機のメリットについて解説します。 
 
・電気代が安い 
・手軽に利用できる 
・身体にやさしい冷却感が感じれる
 
 
それぞれ詳しく解説します。

2.1 電気代が安い

気化式冷風機を用いた場合、電気代を抑えられるという点は大きなメリットです。 
 
一般的なエアコンは、冷媒ガスを圧縮・循環させるためにコンプレッサーを稼働させる必要があり、その分大きな電力を消費します。 
 
一方で気化式冷風機は、水を吸わせたフィルターに風を通すだけのシンプルな仕組みのため、動かすのはモーターとファン程度になります。そのため消費電力は、クーラーの数分の1〜10分の1程度と非常に低く抑えられます。 
 
シンプルな構造で省エネ効果が高いことから、電気代の節約はもちろん、環境負荷の軽減にもつながる点が大きなメリットといえます。

2.2 手軽に利用できる

気化式冷風機は手軽に利用できるのも大きな特徴です。 
 
まず設置工事が不要で、コンセントにつなげばすぐに利用できます。業務用エアコンのように室外機や配管工事が必要ないため、オフィスや工場、倉庫といった空間でも導入がしやすいです。 
 
また、多くのモデルにはキャスターが付いているものが多く、環境に合わせて気軽に移動できます。メンテナンスも比較的簡単で、基本的にはタンクに水を入れるだけで使用できるため、簡易的な清掃を定期的におこなうだけで済みます。 
 
このように、工事不要・移動の手軽さ・簡単なメンテナンスという要素が揃っているため、気化式冷風機は誰でも気軽に取り入れられる冷却方法といえます。

2.3 身体にやさしい冷却感が感じられる

気化式冷風機はその仕組みから、身体にやさしい冷却感を感じられます。 
 
エアコンと異なり冷媒ガスで急激に空気を冷やすのではなく、水の気化熱を利用して空気を冷やすため、自然に近い涼しさを生み出します。そのため、冷房特有の冷たい風が直接当たり体が冷えすぎるといった身体への負担を減らすことが可能です。 
 
また、気化式冷風機の風には適度な湿度が加わるため、エアコンを使った時のような乾燥を防げる点も大きなメリットです。長時間風に当たっても喉や肌が乾きにくく、健康的に快適に過ごすことができます。

3.気化式冷風機のデメリット

気化式冷風機は多くのメリットがある一方で、少なからずデメリットも存在します。導入にあたってメリットとデメリットのそれぞれを考慮する必要があるでしょう。デメリットとしては、以下のような点があげられます。 
 
・涼しさをあまり感じられないこともある 
・湿度を上昇させてしまう 
・定期的に水の補給をおこなう必要がある 

 
それぞれ詳しく解説します。

3.1 涼しさをあまり感じられないこともある

気化式冷風機は水が蒸発する時の気化熱を利用して空気を冷やす仕組みですが、周囲の湿度が高い場合には、水分がうまく蒸発できず冷却効果が弱まります。 
 
またエアコンと違い室内を冷やす力は無く、特定の人や場所へ冷風を送る装置になるので、人によっては涼しさが物足りないと感じてしまいます。環境の状況や個人差によって効果に差が出てしまうのが、デメリットの一つといえるでしょう。

3.2 湿度を上昇させてしまう

気化式冷風機は、水を含ませたフィルターや冷却パッドに風を通すことで涼しい空気を作り出しますが、その際に水分も一緒に放出されるため湿度が上がりやすいという特徴があります。 
 
温度が下がっても湿度が高いと涼しさを感じにくく、とくに日本のように湿度の高い環境では快適さが損なわれてしまいます。さらに、湿気の増加はカビや結露の原因となり、アレルギーや健康被害につながるおそれもあります。 
 
そのため、使用する際は除湿機を併用したり、風通しの良い場所で使ったりなど対策が必要です。

3.3 定期的に水の補給を行う必要がある

気化式冷風機は、水の気化によって空気を冷やす仕組みを持っているため、内部のタンクに常に水が必要になります。運転中はフィルターや冷却パッドに吸い上げた水がどんどん蒸発していくため、時間が経つと水が減り、冷却効果が弱まってしまいます。 
 
そのため、一定の冷却効果を維持するには定期的に水を補給することが必要不可欠です。 
 
また、水が不足したまま使用を続けると機械に負担がかかり、故障の原因にもなりかねません。安定した運転のためにも水の管理が大切になります。

4.工場の冷房には信越空調の「ヒエスポ」がおすすめ

「気化式冷風機では暑さ対策が難しそう」 
「暑い夏を乗り越えるための冷房設備が欲しい」 
 
そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。 
 
ヒエスポは、さまざまな場所で活用できる性能の高さから多くの方に利用されています。 
 
本体に室内機・室外機を内蔵し、コンセント接続だけで稼働可能。直進性の高い大風量で狙ったエリアにピンポイント冷風を送れるため、全体冷房負荷を大幅に削減できます。加えて除湿機能も備えているため、体感温度をしっかり下げて熱中症リスクを抑えながら、省エネ運転を実現します。 
 
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。ぜひ、信越空調の「ヒエスポ」をご検討ください。 
 
ヒエスポの導入事例は、以下の関連記事も参考にしてください。 
 
▶︎「ヒエスポの導入事例一覧

5.まとめ

本記事では気化式冷風機の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。 
 
気化式冷風機は、手軽に快適な作業環境を実現するために効果的な設備です。ただし利用方法によっては、気化式冷風機では快適な環境を作り出せないケースも少なくありません。そのため使用する環境や利用目的に合わせて、適切な空調機器を選ぶようにしましょう。 
 
もし「冷房機器も効果的なものを導入したい」とお考えの方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。