信越空調公式ブログ

工場の寒さ対策はどうすればいい?寒くなる原因やおすすめの対策を解説

冬場の工場や倉庫はかなり冷えやすく、設置してあるエアコンで暖房をフル稼働させても効果が出にくい現状にあります。そのような環境だと作業している人たちも業務が捗らず、作業効率は落ちてしまうでしょう。また、寒い環境の中では集中できず、怪我や事故につながってしまうおそれもあります。

作業効率や生産性を高めるには、適切な寒さ対策が必須です。本記事では、工場や倉庫が寒くなる原因、寒さの対策などについて解説します。ガスヒーターや燃料を使う空調設備が利用できない工場・倉庫の場合の対策についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.工場や倉庫はなぜ寒くなる?

工場や倉庫は、オフィス内と比べると非常に冷え込みが厳しくなります。一般的な建物と比べて寒くなる原因としては、以下のような点が挙げられます。 
 
・外気温の影響を受けやすい 
・空間が広いため空調が効きにくい 
・出入口の開閉が頻繁にある 
・コンクリートのような冷えやすい床が多い 
 
それぞれ詳しく解説します。

1.1 外気温の影響を受けやすい

工場や倉庫を建設する際には一定の広さが必要です。また、周辺環境にも配慮しなければならず、排煙や騒音などの観点から郊外や沿岸部などの人家が少ない場所に建設されることが多いです。

周囲に建物がないということは風通しが良く、街中や住宅街より冷えやすくなってしまいます。また、もし工場や倉庫の場所が山近くの場合、雪が降るのも原因の1つとなるでしょう。自然環境の影響を大きく受けてしまうことから、室内であっても外気温の影響を受けやすいのです。

1.2 空間が広いため空調が効きにくい

工場は、部屋の面積が広く天井が高いのが一般的です。広い空間全体を暖めるには膨大な熱エネルギーを放出できる暖房が必要になります。

しかし、暖房をしても、暖かい空気は上に溜まる性質があるので、作業をおこなう床付近は温度が低くなります。その状態で暖房をフル稼働させても、コストが無駄になってしまう一方です。

1.3 出入口の開閉が頻繁にある

工場や倉庫では人の出入りが多いうえ、商品の搬入や搬出も頻繁におこなわれます。それに伴って出入口の開閉も多くなるため、外の冷たい空気が室内に流れ込み、反対に内部の暖かい空気は外に逃げてしまうのです。 
 
特に冬場は外気温が低いため、室内の温度も著しく低下してしまうでしょう。

1.4 コンクリートのような冷えやすい床が多い

工場や倉庫の床は、熱を逃がしやすい素材が採用されている傾向にあります。

一般的には、メンテナンスのしやすさを重視してコンクリートで作られていることが多いです。コンクリートは熱を伝えやすく、暖めても熱を外に逃してしまいます。また、一度冷えると冷たさを長時間保持する特性を持っており、その中で作業していると寒さを感じやすくなるでしょう。

2.【管理者(企業)側】工場や倉庫の寒さ対策3選

寒すぎる環境だと、工場や倉庫で作業している人たちは業務が捗らず、作業効率は落ちてしまいます。また、寒い環境の中では集中できず、怪我や事故につながってしまう可能性が高いです。

そのため企業や管理者は、業務に支障が出ない適切な環境を作ることが求められます。ここからは、管理者(企業)側がおこなうべき工場や倉庫の寒さ対策を紹介します。 
 
・暖房機器の設置 
・断熱対策をおこなう 
・ビニールカーテンの設置 

 
それぞれ詳しく解説します。

2.1 暖房機器の設置

設置してあるエアコンで暖房をフル稼働させても効果が出にくい場合は、ガスヒーターやストーブなどの暖房機器を活用しましょう。作業をおこなう人たちの近くに暖房機器を設置すれば、手軽に暖められます。特に石油ストーブや電気ストーブなどは即効性があり、燃料や電源さえあればすぐに利用できるので便利です。

ただし、工場や倉庫によっては、火気厳禁の場所やガスを使うような機器は使えないケースもあると思います。その場合は、コンセントだけで利用できるような機器を使うようにしましょう。

2.2 断熱対策をおこなう

断熱していない建物は、外と室内が壁1枚で隔てているだけですので、外の寒さが直接伝わってしまいます。暖房しても効果は薄く、室温を上げるのは難しいでしょう。 
 
そのため、壁や屋根の熱を遮るよう対策を実施しましょう。おすすめは断熱材の活用です。壁や天井に断熱材を施工することで、外気温の影響を受けにくくなります。また、熱が外に逃げないので、暖まった空気が室内に残りやすいです。電気代の削減にも効果が期待できます。

2.3 ビニールカーテンを設置する

ビニールカーテンの設置もおすすめです。

工場は広い空間で、暖房しにくい構造になっています。ビニールカーテンを使えば空間を間仕切りでき、空気の移動を遮断できます。工場の広い空間を仕切れれば、暖房設備を効果的に使用することができるでしょう。設置や取り外しも簡単で、専門業者による大掛かりな工事も不要です。

3.【作業者側】工場や倉庫の寒さ対策

工場で働く従業員自身がおこなう防寒対策も、健康維持や安全性の観点からも重要になってきます。ここからは作業者側がおこなうべき防寒対策についてお伝えします。

・防寒性の高い作業着の着用 
・防寒グッズの活用 
・首・手首・足首を温める
 
 
それぞれ詳しく解説します。

3.1 防寒性の高い作業着の着用

寒さ対策の基本は、身体に直接触れる作業着を見直すことです。適切な素材を選び、正しく着こなすことで、体温を効率的にキープできます。 
 
保温性・断熱性の高い中綿(ポリエステルなど)や発熱・吸湿素材などが使われた作業着や防寒手袋を活用することで、体温の低下を防げます。 
 
また、着こなしにおいては「厚着」ではなく、薄手の衣類を重ね着する「レイヤリング」が効果的です。レイヤリングは、吸湿速乾性のある肌着で汗冷えを防ぎ、その上にフリースなどの保温性の高い中間着で体温を保ち、最後に防風性・防水性の高い作業着で外気から身体を守るという三層構造を指します。 
 
このように重ね着をすることで、作業の強度に合わせて脱ぎ着し、体温調整を容易におこなえます。

3.2 防寒グッズの活用

作業着だけではカバーしきれない部分を補い、作業効率を落とさずに温かさをプラスしてくれるのが防寒グッズです。 
 
もっとも手軽なのがカイロです。貼るタイプを腰や背中に装着すると、大きな血管を温めることにつながり、身体全体を温められます。最近では充電式のカイロも販売されており、必要な時にON/OFFできるため、休憩時間などに手を温めるのに非常に便利です。 
 
また、背中や腰に電熱ヒーターが内蔵された電熱ベストを作業着の下に着用することで、体幹を効率的に温め、全身に温かさが巡るのを感じられます。

3.3 首・手首・足首を温める

人間の身体は「三首」と呼ばれる首・手首・足首から熱が逃げやすいため、これらを重点的に温めることが効果的です。 
 
ネックウォーマーやマフラーを着用することで首元からの冷気を防ぎ、リストバンドや手首を覆うインナーを使えば身体の冷えを抑えられます。足元には厚手の靴下やインソールを使用することで、冷たい床からの冷えを防げます。 
 
これらのアイテムは手軽に取り入れられるうえに、全身の体感温度を底上げできるため、防寒対策としておすすめです。

4.ガスヒーターなどが使えない工場はどうすればいい?

工場や倉庫によっては利用している機器や作業上の問題で、火気厳禁であったり、ガスを使うような機器は使えなかったりするケースもあると思います。そのような場合はガスヒーターや石油ストーブは使わず、コンセントだけで利用できるような機器を使うようにしましょう。

そんな際におすすめなのが移動式エアコンです。移動式エアコンとは工事不要の可動式のエアコンです。特殊な工事は必要なく、電源さえあればその日から利用できます。

可動式のため、特に暖めたい場所の近くに設置でき、特定のスペースに風を集中させることで無駄なく効率の良い稼働を実現できます。工場のような場所だと作業する場所はおおよそ決まっていると思うので、作業する場所や作業者が集まりやすい場所の近くに設置して稼働すると、効果的に暖まることが可能です。

5.工場の暖房には信越空調の「ヒエスポ」がおすすめ

「寒い冬を乗り越えるための暖房設備が欲しい」 
「1年を通して活用できる空調設備を取り入れたい」
 

そうお考えのあなたは、信越空調の「ヒエスポ」がおすすめです。ヒエスポは、大空間でも利用できる性能の高さと、電源さえあればすぐ使える手軽さから多くのお客様に愛用されています。

暖かい空気は上に溜まってしまう性質があるため、広い空間で暖房をつけても空気はどんどん上へ向かってしまい、なかなか暖まらないことがあります。しかし、そんなときは「ヒエスポ」の出番です。直進性のある大風量の風を吹くので、足元などの低い場所に風を送ることが可能です。「ヒエスポ」のパワフルな風であれば効率的に暖められるでしょう。

お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。ぜひ、信越空調の「ヒエスポ」をご検討ください。

6.工場の寒さ対策に関するよくある質問

6.1 工場の寒さ対策が必要な理由はなんですか?

工場のような環境は、一般的なオフィスや建物に比べるとかなり冷え込みが厳しくなります。そんな寒い環境で作業をおこなうと、以下のような問題を発生させるリスクがあります。 
 
・従業員の健康被害(低体温症・免疫力の低下など) 
・従業員の腰痛や関節痛といった慢性的な不調 
・作業効率・生産性の低下 
 
これらの問題が積み重なると、従業員の離職や経営の悪化、重大な事故の発生につながりかねません。 
 
企業や管理者は、業務に支障が出ない適切な環境を作ることが求められます。

6.2 工場や外仕事で寒さ対策をする時の服装はどんなものがいいですか?

寒さ対策の服装では、厚着よりも、「レイヤリング(重ね着)」を意識することが重要です。レイヤリングは、体温を逃がさず、汗冷えを防ぐための三層構造が基本です。 
 
①ベースレイヤー(肌着): 汗を素早く吸収し、発散させる吸湿発熱性、速乾性の高い素材を選び、汗冷えを防ぎます。 
②ミドルレイヤー(中間着): フリースやダウンなど、保温性の高い素材を選び、間に空気の層を作って暖かさを閉じ込めます。 
③アウターレイヤー(作業着): 風を遮る防風性と、外部からの水濡れを防ぐ防水・撥水性に優れた素材を選び、外気から体を守ります。 
 
とくに、首、手首、足首の「三首」を覆うように、ネックウォーマーや保温性の高い靴下を活用すると、全身の血行が良くなり効率的に寒さを防げます。

6.3 移動式エアコンとスポットクーラーの違いはなんですか?

「移動式エアコン」と「スポットクーラー」は、どちらも工事不要で移動可能な空調機器です。違いについてインターネットなどで検索すると、多くの場合ほぼ同じ意味で使われています。  
 
厳密な定義によって違いが分けられているわけではないのですが、製品の傾向や用途によって、以下のようなニュアンスの違いがあることが多いです。

違い
移動式エアコン
スポットクーラー
主な目的
直進性のある風がスムーズに遠くまで届き、冷やしたい・暖めたい場所の近くで稼働させ、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることを目的としている 
 
大風量の風が吹く専用吹き出し口・ルーバーが取り付けられていることが多い
本体に蛇腹のホースのような風の吹き出し口があり、特定の場所の冷却を目的としている 
 
作業中の人や熱を発する機械の周辺などかなり局所的な冷却をおこなうときに使われる
機能性
冷房、暖房、除湿機能がついた多機能モデルが多い
基本的に冷房専用
使用用途・使用される場所
基本的に業務用 
 
工場や倉庫、大型施設など、広い空間のなかで定めたエリアをメインに稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることが可能
基本的に家庭用 
 
業務用でも使用されることがあるが、特定の少人数のみに対して使ったり、休憩場所のような小空間などで使用されたりする

このように、明確な線引きがあるわけではありませんが、機能性や使用用途によって呼び方が変わる傾向にあります。 
 
移動式エアコンとスポットクーラーの違いについてさらに詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。 
▶︎「関連記事を読む」

7.まとめ

本記事では、工場や倉庫が寒くなる原因、寒さの対策などについて解説しました。

工場や倉庫はかなり冷えやすく、寒すぎる環境だと作業している人たちは業務が捗りません。また、寒い環境の中では集中できず、怪我や事故につながってしまうおそれもあります。そのため企業や管理者は、業務に支障が出ない適切な環境を作ることが求められます。

もしも火気厳禁であったり、ガスを使うような機器は使えない環境だったりする場合は、移動式エアコンがおすすめです。可動式のため、特に暖めたい場所の近くに設置でき、特定のスペースに風を集中させることで無駄なく効率の良い稼働を実現できます。また、寒い冬は暖房、暑い夏は冷房で、1年通して活用できるので、ぜひ移動式エアコンを活用なさってみてください。