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業務用エアコンの移設工事や増設工事は費用が高い?コスト面で悩む時の対処法も解説

企業や工場に欠かせない空調設備ですが、空調効率の向上を目的に業務用エアコンの場所を移動させたり、台数を増やしたりする場合があります。しかし、業務用エアコンはエアコン本体や材料のサイズが大きいため設置の作業負担がかかってしまい、移設や増設をする場合は工事費が高くなるケースが多いです。

本記事では、業務用エアコンの移設・増設工事の概要や費用、移設・増設工事のデメリットなどについて解説します。

1.業務用エアコンの移設・増設工事とは?

業務用エアコンの台数を増やす増設と、設置箇所を移動させる移設は、必要な工事や作業内容、実施するタイミングが異なります。とくに移設工事は細かな作業が必要となり、作業・工事にかかる費用が高くなるおそれがあります。ここからは業務用エアコンの移設・増設工事について解説します。

1.1 移設工事

業務用エアコンの移設工事は、エアコンを現在の設置箇所から別の場所に移動させる工事です。エアコンは室内機(本体)と室外機で1セットなので、両方を一緒に移動させる必要があります。当然のことですが業務用エアコンは家庭用より大きなものが多いので、自力で移設するのは困難といえます。そのため、基本的には業務用エアコンの移設ができる業者に依頼して移設を実施することになります。 
 
移設工事をおこなうタイミングとしては、室内全体に風が行き届かない場合に設置場所を変更して空気の流れを変えたり、オフィスや工場の移転に伴ってエアコンごと引っ越しさせたりなどがあげられます。 
 
エアコンを現在の設置箇所から別の場所に移動させるので、新しい本体費用はかかりません。しかし、移転先での取付工事や既存のエアコンの取り外し、運搬といった作業も必要になるため、作業や工事にかかるコストは高くなることが多いです。

1.2 増設工事

業務用エアコンの増設工事は、現在設置されているエアコンとは別に台数を増やす工事です。現在設置しているエアコンの場所や配管なども考慮したうえで、効果が発揮できる適切な場所に設置する必要があります。 
 
増設工事をおこなうタイミングとしては、間仕切りをして部屋数が増えたり、空間が広くなったりした場合に、エアコンの台数を増やすなどがあげられます。 
 
台数を増やす工事とは別ですが、吹き出し口を増設をするといった工事もあります。冷房能力に問題はないものの風がしっかりと行き渡らない場合などにおこなわれます。

2.業務用エアコンの移設はどのようにおこなわれる?

業務用エアコンの移設工事は細かな作業が必要となります。ここからは一例として、移設工事の流れを解説します。移設工事は以下の3ステップでおこなわれます。 
 
1.機器の撤去
2.機器の運搬
3.機器の設置

2.1 機器の撤去

まずは設置されている機器の撤去作業をおこないます。撤去作業は、養生、ポンプダウン、搬出の流れで実施されます。 
 
養生は移設元の保護をおこなうことで、移設する業務用エアコンを傷つけたり、もともとの場所が破損したりするのを防ぐ作業です。移設するエアコンは、養生フィルムや養生シートを使って保護します。 
 
養生ができたらポンプダウンをおこないます。ポンプダウンとは、エアコンの中にあるフロンガス(冷媒ガス)を室外機にとどめて、ガスを回収する作業のことです。この作業をおこなわなければ、フロン排出抑制法に違反することとなってしまい、罰せられる可能性があります。また、フロンガスが漏れ出たエアコンは電力効率が下がってしまうため、移設する場合はポンプダウンを必ずおこなう必要があります。

2.2 機器の運搬

ポンプダウンを完了させて機器を搬出したら、移設元から移設先に運搬します。

移設先の環境は運搬する前に整えておき、問題なく設置できるようにしておきましょう。事前に設置のシチュエーションをしておくのがおすすめです。

2.3 機器の設置

移設先が傷つかないように先に養生しておいて、室内機と室外機を確実に設置していきましょう。機器の取り付けが完了したら、配管や配線の工事をおこないます。業務用エアコンは、室内機と室外機を配管で接続して冷媒ガスを循環させなければなりません。配管の工事費用は距離が長いほど高くなりやすい傾向にありますが、メーカー規定の範囲内でできる限り短く設計すれば、工事費用を安く抑えられる可能性もあります。 
 
配管や配線の工事が完了したら、配管に冷媒を封入して試運転を実施します。試運転の時点で何か気になることがある場合は、その場で業者に確認しておきましょう。

3.業務用エアコンの移設・増設工事の費用は?

まず、業務用エアコンの移設工事の費用相場は、約10〜30万円です。ただし、移設先の環境や必要な追加工事によってはさらに費用が高くなってしまうことがあります。とくに移設先への設置に関してはかかる費用の幅が広いので、事前に移設元・移設先の環境を業者にチェックしてもらったうえで見積もりを出してもらいましょう。 
 
次に、増設工事は増設するエアコンのタイプによって費用相場が異なります。それぞれのタイプの費用相場は以下の通りです。 
 
・天井埋め込み型:約20〜100万円 
・天井吊り型:約15〜100万円 
・壁掛け型:約15〜100万円 

 
また、増設先の環境や設置場所によっては、追加工事・特殊工事が必要となるため費用が高くなってしまうことがあります。こちらも増設先の環境を業者にチェックしてもらったうえで見積もりを出してもらいましょう。

4.コスト面で業務用エアコン設置に悩む場合は移動式エアコンもおすすめ

「移設したいけど思ったより費用がかかりそう」「増設したいけど、コストが高い」というケースもあると思います。業務用エアコンを移設・増設する場合、やはり安くはない費用がかかることがほとんどです。 
 
また、設置には電源工事や配管工事など多くの工事が必要となる場合もあり、非常に工事の手間がかかります。設置工事のために工場の稼働を止めなければいけなかったり、社内での作業がおこなえなくなったりなど、その時間分の損失が発生するおそれがあります。 
 
そんな時は、業務用エアコンとは別のもので代用するのも1つの方法です。業務用エアコン以外にも効果的に冷暖房ができたり、社内・工場内を快適な空間にできたりするものは多くあります。たとえば、おすすめは移動式エアコンです。移動式エアコンとは工事不要の可動式のエアコンです。特殊な工事は必要なく、電源さえあればその日から利用可能です。 
 
工場のような場所では、おおよその作業する場所・人が集まる場所が定まっていることが多いので、移動式エアコンで快適な温度にしたいエリアを決めて局所的に稼働させると非常に効果的でしょう。

5.まとめ

本記事では、業務用エアコンの移設・増設工事の概要や費用、移設・増設工事のデメリットなどについて解説しました。

業務用エアコンはエアコン本体や材料のサイズが大きいため設置の作業負担がかかってしまい、移設や増設をする場合は工事費が高くなるケースが多いです。そのため移設工事・増設工事をおこなう際は、コスト面をきちんと確認したうえで、「本当に実施するだけの価値があるか」を考えるようにしましょう。
 
コスト的に難しい場合は、移動式エアコンがおすすめです。信越空調のヒエスポは工場のような空間でも利用できる性能の高さと、電源さえあればすぐ使える手軽さから多くのお客様に愛用されています。移動式エアコンの使用を検討したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。