熱中症を防ぐ作業時間の目安とは?WBGT値別の休憩時間を解説
「暑い現場でどれくらい作業させて良いのか分からない。」
「WBGT値に応じた休憩時間の目安を知りたいけど、具体的な基準が分からない」』
建設業や製造業の現場責任者として、2026年に熱中症対策が義務化されたこともあり、適切な作業時間の管理に悩んでいる方も多いですよね。
熱中症予防のための作業時間・休憩時間は、WBGT値(暑さ指数)に応じて明確な目安が定められています。
WBGT基準値からの超過 |
1時間あたりの休憩時間 |
|---|---|
1℃程度超過 |
15分以上 |
2℃程度超過 |
30分以上 |
3℃程度超過 |
45分以上 |
それ以上超過 |
作業中止が望ましい |
この基準を守ることで、熱中症のリスクを大幅に低減できます。
ただし、休憩時間を増やすだけでは作業効率が落ちてしまいますよね。
根本的な解決策として、作業環境のWBGT値そのものを下げることが重要です。WBGT値を1℃下げるだけで、必要な休憩時間を15分短縮でき、作業効率と安全性を両立できます。
本記事では、熱中症予防の作業時間と休憩時間の目安、作業強度別のWBGT基準値一覧、WBGT値を下げる根本的な対策について解説します。
1.熱中症予防の作業時間・休憩時間の目安【WBGT値別一覧表】
熱中症を予防するための作業時間・休憩時間は、WBGT値(暑さ指数)が基準値をどれだけ超過しているかによって決まります。
厚生労働省のガイドラインでは、特段の熱中症予防対策を講じていない場合の休憩時間の目安が、以下のように定められています。
WBGT基準値からの超過 |
1時間あたりの休憩時間 |
作業時間の例 |
|---|---|---|
1℃程度超過 |
15分以上 |
45分作業→15分休憩 |
2℃程度超過 |
30分以上 |
30分作業→30分休憩 |
3℃程度超過 |
45分以上 |
15分作業→45分休憩 |
それ以上超過 |
作業中止が望ましい |
作業をおこなわない |
WBGT基準値から3℃を超えて超過している場合は、原則として作業をおこなわないことが推奨されています。
この水準では、どれだけ休憩時間を増やしても、熱中症のリスクを十分に低減できません。
工程への影響が懸念される場合は、作業時間を早朝や夕方にずらすか、WBGT値を下げるための環境改善を優先的に実施してください。
2.作業強度別のWBGT基準値一覧
WBGT基準値は、作業の強度によって異なります。身体作業強度が高いほど、体内で発生する熱量が多くなるため、より低いWBGT値から対策が必要です。
ここからは、日本産業規格(JIS Z 8504)に基づく作業強度別のWBGT基準値を解説します。
2.1 安静(WBGT33℃/32℃)
安静状態とは、座って休憩している状態を指します。
暑熱順化している人の場合はWBGT33℃、暑熱順化していない人の場合はWBGT32℃が基準値です。休憩所のWBGT値がこの基準を超える場合、休憩中であっても熱中症のリスクがあるため、冷房設備の導入やミストシャワーの設置など、環境改善が必要です。
2.2 低代謝率の作業(WBGT30℃/29℃)
低代謝率の作業とは、軽い手作業や書類作業、小さい部品の組立て、タイピングなどの軽作業を指します。
暑熱順化している人の場合はWBGT30℃、暑熱順化していない人の場合はWBGT29℃が基準値です。身体を大きく動かさない作業であっても、高温環境では熱が体内にこもりやすく、長時間の作業で熱中症を発症するリスクがあります。
工場の検査作業や事務作業であっても、WBGT値が基準を超える場合は適切な休憩時間の確保が必要です。
2.3 中程度代謝率の作業(WBGT28℃/26℃)
中程度代謝率の作業とは、くぎ打ち、トラック運転、軽量な荷車を押す作業、草むしりなどを指します。
暑熱順化している人の場合はWBGT28℃、暑熱順化していない人の場合はWBGT26℃が基準値です。2026年に義務化された熱中症対策の対象条件「WBGT28℃以上」は、この中程度代謝率の作業を基準としています。
建設現場や製造業でもっとも多い作業強度であり、多くの職場でこの基準値が適用されます。
2.4 高代謝率の作業(WBGT26℃/23℃)
高代謝率の作業とは、重量物の運搬、ショベル作業、ハンマー作業、草刈り、のこぎり作業などを指します。
暑熱順化している人の場合はWBGT26℃、暑熱順化していない人の場合はWBGT23℃が基準値です。身体に大きな負荷がかかる作業では、体内で発生する熱量が多く、より低い温度環境でも熱中症のリスクが高まります。
建設業や土木作業では、この強度の作業が多いため、梅雨明けや夏季の初めには注意が必要です。
2.5 極高代謝率の作業(WBGT25℃/20℃)
極高代謝率の作業とは、階段を昇る、激しいシャベル作業、走る、斧を振るうなど、最大速度での激しい活動を指します。
暑熱順化している人の場合はWBGT25℃、暑熱順化していない人の場合はWBGT20℃が基準値です。暑熱順化していない人の場合、気温が25℃程度であっても基準値を超える可能性があり、春先や初夏でも熱中症のリスクがあります。
この強度の作業をおこなう場合は、作業時間を短く区切り、頻繁に休憩を取る必要があります。
3.WBGT値を下げる根本的な対策【作業環境管理】
休憩時間を増やすことは重要ですが、WBGT値そのものを下げることで、作業効率と安全性を両立できます。
ここからは、作業環境を改善してWBGT値を下げる対策について、3つのポイントを解説します。
3.1 作業環境を冷やすことの重要性
厚生労働省のガイドラインでも、作業環境管理として「冷房等により作業場所のWBGT値の低減を図ること」が推奨されています。
WBGT値を下げる方法には、冷房設備の導入、扇風機やミストシャワーの設置、日よけやテントによる日射の遮断、換気の改善などがあります。これらの対策を組み合わせることで、WBGT値を2〜5℃低減できるケースもあります。
作業環境そのものを改善することは、すべての作業者に等しく効果が及ぶため、もっとも効率的な熱中症予防対策です。
3.2 WBGT値を1℃下げれば休憩時間を大幅削減できる
WBGT値を1℃下げることで、必要な休憩時間を15分短縮できます。
たとえば、WBGT基準値から2℃超過している環境(1時間あたり30分の休憩が必要)で、WBGT値を1℃下げることができれば、1℃超過の状態(1時間あたり15分の休憩)に改善されます。これにより、1時間あたりの実作業時間が30分から45分に増加し、作業効率が50%向上します。
初期投資として冷房設備を導入するコストがかかっても、作業効率の向上と熱中症による労働災害の防止を考えれば、長期的には大きなメリットがあります。
3.3 冷房設備の導入で作業効率と安全性を両立
休憩所や作業エリアに冷房設備を導入することで、作業者が効率的に身体を冷却でき、熱中症のリスクを大幅に低減できます。
従来は、建設現場や工場などでエアコン工事が難しく、冷房設備の導入を諦めていた現場も多くありました。しかし、近年では工事不要で設置できる移動式エアコンが普及しており、様々な現場で導入が進んでいます。
冷房設備の導入は、従業員の健康を守るだけでなく、作業効率の向上、労働災害の防止、企業イメージの向上にもつながる重要な投資です。
4.移動式エアコン「ヒエスポ」で現場のWBGT値を効果的に下げるのがおすすめ
企業は、WBGTを用いて適切な環境管理をおこなうことが求められますが、業務用エアコンだけでは快適な温度・湿度にならないケースが多いです。
もちろん業務用エアコンは広い空間を快適な環境にすることに長けていますが、夏の猛暑のような環境では、どうしても快適な温度・湿度にならないエリアができてしまいます。
ただ、「適切な温度・湿度にならないエリアが発生してしまう」という問題は、特定のエリアに定めて空調ができるような設備を取り入れることで解決可能です。
工事不要で設置できる移動式エアコン「ヒエスポ」なら、工場や建設現場でも簡単にWBGT値を下げられます。
ヒエスポは、様々な現場での熱中症対策として注目されている移動式エアコンです。直進性のある大風量の風を吹くので、とくに冷やしたい・暖めたい場所の近くで稼働させることで、快適な温度を保つ一定のエリアを作ることができます。
一番小さいサイズで2.8kW、一番大きいサイズで14.0kwの能力を備えており、使用環境にあわせて幅広い能力から機種を選定できます。
お客様に合わせたさまざまな機種を、販売からレンタル・リースまで幅広く対応しています。ぜひ、信越空調の「ヒエスポ」をご検討ください。
5.まとめ
熱中症予防のための作業時間・休憩時間は、WBGT値に応じて明確に定められています。
WBGT基準値から1℃超過で15分、2℃超過で30分、3℃超過で45分以上の休憩が必要です。ただし、休憩時間を増やすだけでは作業効率が大きく低下するため、根本的な解決策として作業環境のWBGT値を下げることが重要です。
WBGT値を1℃下げるだけで、1時間あたりの休憩時間を15分短縮でき、作業効率と安全性を両立できます。
そこでおすすめなのが、工事不要で設置できる移動式エアコン「ヒエスポ」です。
建設現場の仮設休憩所や工場の作業エリアなど、エアコン工事が難しい場所でも、ヒエスポなら簡単に導入できます。移動が可能なため、様々な現場で活用でき、WBGT値を2〜5℃低減できます。
ヒエスポを導入すれば、「従業員の熱中症リスクが減って、安心して作業を任せられるようになった」と実感できるようになりますよ!
詳しい情報については、お気軽にお問い合わせください!

