工場の熱中症対策事例4選!義務化に対応する設備や管理体制を解説
1.工場の熱中症対策は義務化されている
2025年6月1日に施行された労働安全衛生規則の改正により、これまで努力義務とされていた熱中症対策が、法的義務とされました。
近年、職場における熱中症による休業4日以上の業務上疾病者数は年間1,000人を超えており、死亡事故も後を絶たない状況が続いています。とくに製造業や建設業での発生率が高く、工場内の高温環境が大きなリスク要因となっているのです。
今回の改正では、事業者に対して「報告体制の整備」「実施手順の作成」「関係作業者への周知」の3点を義務付けています。具体的には、熱中症の自覚症状を有する作業者を早期に発見するための報告ルール、身体冷却や救急搬送などの応急処置手順を事前に整備し、全従業員に周知することが求められます。
これにより、企業は熱中症のリスク評価をおこない、適切な予防措置を講じる法的責任を負うことになりました。
2.工場で実施されている熱中症対策事例4選
工場の熱中症対策は、規模や予算、現場環境によって最適な方法が異なります。ここからは、実際に工場で実施されている熱中症対策事例を紹介します。
2.1 【事例①】大手自動車部品メーカー:WBGT監視システムで全工場を一元管理
大手自動車部品メーカーの企業では、工場にWBGT監視システムを導入し、熱中症対策の強化に成功しました。
従来は、現場の管理者が手動でWBGT値を測定し、危険な状況になったら休憩を指示する運用をおこなっていましたが、広大な工場内の複数の作業場所を常時監視することは困難でした。また、測定データの記録や分析も手作業でおこなっていたため、管理者の負担が大きく、タイムリーな対策実施が難しいという課題がありました。
そこでWBGT監視システムを導入し、工場内の各作業場所にWBGTセンサーを設置しました。センサーで計測されたデータはクラウドに自動送信され、温度・湿度・WBGTをリアルタイムで可視化できるようになりました。
システムの最大の特徴は、WBGT値が危険レベルに達すると自動でアラート警告を発報する機能です。現場の管理者はスマートフォンやパソコンで通知を受け取り、すぐに休憩指示や作業スケジュールの調整をおこなえます。
2.2 【事例②】製造工場:屋根遮熱シート+移動式エアコンで体感温度を大幅改善
車両の部品製造工場では、屋根への遮熱シート施工と移動式エアコンの組み合わせにより、夏場の作業環境を大幅に改善しました。
こちらの工場は金属屋根で覆われており、夏場は屋根が高温になることで、その熱が工場内に伝わり、室温が大幅に上昇していました。すでに空調設備は導入していましたが、屋根からの輻射熱が大きく、空調の効きが悪い状態になっていたのです。
そこで屋根に「サーモバリア スカイ工法」という遮熱シートを直接貼り付ける施工を実施しました。この遮熱シートは、太陽光の熱を反射し、屋根表面の温度上昇を抑える効果があります。
また、遮熱シートの施工に加えて、作業ラインや人が集中するエリアに移動式エアコンを複数台設置しました。遮熱シートで工場全体の温度上昇を抑えつつ、移動式エアコンで局所的に冷却することで、より効果的な暑さ対策を実現しました。
2.3 【事例③】物流倉庫:移動式エアコンで配置変更に柔軟対応
物流倉庫では、移動式エアコンを導入することで、レイアウト変更に柔軟に対応しながら効果的な熱中症対策を実現しています。
従来は、大型扇風機や気化式冷風機を使用していましたが、十分な冷却効果が得られず、夏場は倉庫内の温度が40度近くまで上昇することもありました。従業員からは「暑すぎて作業に集中できない」「休憩を頻繁に取らざるを得ない」という声が上がっており、作業効率の低下も課題となっていたのです。
そこで移動式エアコンを複数台導入し、作業ラインや梱包エリア、出荷場など、人が集中する場所を効率的に冷却しました。移動式エアコンは一般的なスポットクーラーを上回る冷却能力と送風能力で、従業員からも「以前より快適に作業できるようになった」「休憩回数が減り、作業効率が上がった」という声が上がりました。
2.4 【事例④】リサイクル工場:ミスト冷房システムで予算内の熱中症対策を実現
リサイクル工場では、限られた予算内でミスト冷房システムを導入し、屋外の暑さを和らげる仕組みを構築しました。
リサイクル工場では、夏場に工場内の温度が非常に高くなり、従業員の健康と安全が懸念されていました。執行役員は、従業員を熱中症から守りたいという強い思いを持っていましたが、予算に限りがあり、工場全体に空調設備を導入することは困難でした。
そこで予算内で最大限の効果を得るために、工場全体ではなく、多くのスタッフが通過し、かつ熱が滞留しやすいエリアに絞ってミストを集中設置するプランを採用しました。
ミスト冷房システムは、微細な霧を噴射することで、水の気化熱を利用して周囲の温度を下げる仕組みです。部分的な設置であっても、その場所を通るたびにクールダウンし、身体への負担が大きく軽減されました。
3.工場で実施すべき熱中症対策の3つの柱
工場の熱中症対策は、大きく分けて「設備対策」「個人装備」「管理体制」の3つに分類されます。ここからは工場で実施すべき熱中症対策の3つの柱を解説します。
3.1 ①設備対策:環境そのものを改善する
設備対策は、工場内の温度や湿度を下げ、作業環境そのものを改善する方法です。根本的な解決につながるため、予算が許せば最優先で検討すべき対策といえます。
おもな設備対策には、固定式エアコンによる全体冷房、移動式エアコンや大型扇風機による局所冷房、気化式冷風機やミスト冷房システムによる気化熱を利用した冷却、屋根への遮熱シートや断熱材の施工による輻射熱の低減などがあります。
工場全体を冷房する固定式エアコンは効果が高い反面、導入コストが数百万円から数千万円と高額です。一方、移動式エアコンは数十万円から導入でき、必要な場所に重点的に冷風を送れるため、コストパフォーマンスに優れています。
また、遮熱シートを屋根に施工することで、屋根からの輻射熱を大幅に軽減でき、空調の効きが良くなる効果も期待できます。複数の設備を組み合わせることで、相乗効果を発揮し、より快適な作業環境を実現可能です。
3.2 ②個人装備:作業者自身を守る
個人装備は、設備対策が難しい環境でも、作業者自身を熱から守る効果的な方法です。とくに高温設備の近くや屋外作業では、個人装備の重要性が高まります。
おもな個人装備には、ファン付き作業服(空調服)、水冷式冷却ベスト、ネッククーラーや冷却タオルなどがあります。これらは身体の熱を効率的に逃がし、作業中の体温上昇を抑える効果があります。
個人装備のメリットは、比較的低コストで導入でき、すぐに効果が実感できる点です。1着あたり数千円から数万円程度で購入でき、従業員全員に配布しても設備投資より安く済むケースが多くなっています。
ただし、個人装備だけでは限界があるため、水分・塩分補給のルール化や、WBGT値に応じた休憩管理などの運用面の対策も併せて実施することが重要です。
3.3 ③管理体制:早期発見と迅速な対応
管理体制の整備は、熱中症の重症化を防ぐために不可欠な対策です。労働安全衛生規則の改正でも、報告体制の整備と実施手順の作成が義務付けられています。
おもな管理体制には、WBGT監視システムによるリアルタイム計測とアラート通知、ウェアラブル機器による作業者の心拍数や体温の監視などがあります。
また、熱中症が疑われる作業者を発見した際の報告ルートと、身体冷却や救急搬送などの応急処置手順を事前に文書化し、全従業員に周知することが重要です。定期的な訓練を実施することで、実際の緊急時にも迅速に対応できる体制を構築できます。
4.工場の熱中症対策には移動式エアコン「ヒエスポ」がおすすめ
工場や倉庫の熱中症対策には、移動式エアコン「ヒエスポ」が最適です。
ヒエスポは、配管工事が不要で電源さえあれば設置できるため、導入のハードルが低く、すぐに使い始められます。
業界No.1の風量を誇り、大空間でも強力な冷房効果を発揮するため、工場や倉庫のような広い作業場所でも十分に冷やすことができます。
他社のスポットエアコンと比較しても、ヒエスポは冷房到達距離が圧倒的に長く、遠くまで冷風が届くのが特徴です。
■ヒエスポの特徴
配管工事不要で電源接続だけで即日使用可能
業務用としてパワフルな冷房能力(2.8kW~14.0kW)
冷暖房兼用で年間活用できる
キャスター付きで移動が容易
堅牢なアルミ製筐体で耐久性が高い
購入・レンタル・リースから選べる
ヒエスポを導入すれば、「作業場所が涼しくなり、従業員が快適に働けるようになった」と実感できますよ!
5.まとめ
工場の熱中症対策は、2025年6月の労働安全衛生規則改正により罰則付きで義務化されました。効果的な対策を実施するには、設備対策・個人装備・管理体制の3つの柱を組み合わせることが重要です。
工場の規模や予算、環境に応じて、最適な組み合わせを選びましょう。
とくにレイアウト変更が頻繁な工場や、配管工事ができない賃貸物件では、移動式エアコンのような工事不要で柔軟に配置できる設備が効果的です。
配管工事が不要で、キャスターで自由に移動でき、冷房・暖房・除湿・送風の4つの機能を備えているため、年間を通じて活用できます。一般的なスポットクーラーを上回る冷却能力で、広範囲に冷気を届けられる点も魅力です。
工場の熱中症対策は、従業員の命と健康を守るだけでなく、作業効率の向上や離職率の低下にもつながります。本記事で紹介した事例や対策方法を参考に、自社に合った熱中症対策を実施し、従業員が安心して働ける環境を実現しましょう。

