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工場での熱中症死亡事故を防ぐには?熱中症死亡事故が起きる原因や効果的な対策を解説

「工場で熱中症による死亡事故が起きないか不安」 
「工場での熱中症死亡事故を防ぐにはどうすればいい?」 
 
製造業の経営者や工場の現場責任者として、従業員の安全を守りたいと考えている方も多いですよね。 
 
実際、2024年の職場での熱中症による死傷者は1,257人に上り、そのうち31人が命を落とす深刻な事態となっています。 
 
工場で熱中症死亡事故が起きるのは、屋根や外壁からの輻射熱で室温が上昇したり、製造設備の機械熱で高温環境になったりなど、さまざまな原因があります。大きな事故を発生させないためにも、企業は以下のような対策をおこないましょう。 
 
・WBGT値の測定と作業管理の徹底 
・熱中症の応急処置と緊急対応訓練 
・水分・塩分補給の環境整備 
・作業環境に合わせた空調設備の導入 
・作業時間・休憩の見直し 

 
本記事では、工場での熱中症死亡事故の実態や発生する原因、工場での熱中症死亡事故を防ぐ対策方法を解説します。工場での熱中症予防におすすめな空調機器も紹介するので、製造業の経営者様や工場・倉庫の現場担当者様はぜひ参考にしてくださいね。

1.工場での熱中症死亡事故の深刻な実態

工場での熱中症死亡事故は、年々深刻化しています。 
 
厚生労働省の「令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)」によると、2024年の職場における熱中症による死傷者数は1,257人に達しました。 
 
これは統計が残る2005年以降で過去最多の数値です。 
 
さらに深刻なのは、そのうち31人が命を落としている点です。死傷者のうち約2.5%が死亡に至っており、熱中症は決して軽視できない労働災害といえます。 
 
また、業種別の発生状況を見ると、製造業での被災者数は235人に上ります。建設業の228人と並んで、製造業は熱中症リスクがとくに高い業種です。

業種
死傷者数
死亡者数
製造業
235人
5人
建設業
228人
10人
運送業
186人
3人

参照:令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値) 
 
製造業全体の約4割が建設業と製造業で発生しており、工場での熱中症対策は経営者にとって最優先課題といえます。

2.工場で熱中症死亡事故が起きる4つの原因

工場で熱中症死亡事故が発生する背景には、工場特有の環境要因と管理体制の問題があります。 
 
自社の工場環境に当てはまる原因がないか、確認してみましょう。 
 
原因①屋根や外壁からの輻射熱で室温が上昇する 
原因②製造設備の機械熱で高温環境になる 
原因③広い空間で空調が効きにくい構造 
原因④初期症状の見逃しと対応の遅れ

 
詳細をひとつずつみていきます。

2.1 原因①屋根や外壁からの輻射熱で室温が上昇する

工場の屋根は金属製の折板屋根が一般的で、直射日光を受けると表面温度が80℃近くまで上昇します。 
 
この熱が屋内に伝わり、室温を大幅に上げてしまうのです。 
 
一般家庭と異なり、工場は周辺に建物が密集していないため、日陰が少なく屋根だけでなく外壁も直射日光にさらされます。 
 
屋根の下に断熱材が施工されていない工場も多く、熱が直接作業場に伝わってしまいます。 
 
コンクリートや鉄などの熱を通しやすい素材が使われていることも、室温上昇の一因です。 
 
輻射熱対策をおこなっていない工場では、真夏の室温が40℃を超えることも珍しくありません。

2.2 原因②製造設備の機械熱で高温環境になる

工場内の製造設備から発生する機械熱も、熱中症の大きな原因です。 
 
成型機、電気炉、乾燥炉などの設備を稼働させると、機械本体から大量の熱が放射されます。 
 
機械を動かすたびに電気抵抗により熱が発生するため、稼働時間が長いほど工場内の温度が上昇し続けます。 
 
とくに、炉の近くで作業する従業員は、外気温に加えて機械熱による二重の暑さに耐えなければなりません。 
 
機械熱は外からの熱と異なり、空調だけでは対処しきれない点が問題です。

2.3 原因③広い空間で空調が効きにくい構造

工場は作業スペースを確保するため広大な空間を持ち、天井も高い構造になっています。 
 
そのため、大型の業務用エアコンを設置しても全体を均一に冷やすことが難しいのです。 
 
大型設備や在庫棚が設置されていることで風通しが悪く、冷気が循環しにくい問題もあります。 
 
広い工場全体を冷やそうとすると莫大な電気代がかかり、コスト面でも現実的ではありません。 
 
このような構造的な問題が、工場での熱中症リスクを高める要因となっています。

2.4 原因④初期症状の見逃しと対応の遅れ

厚生労働省の分析では、死亡事例の多くが「初期症状の見逃し」と「対応の遅れ」によるものです。 
 
めまいや立ちくらみなどの初期症状を「少し休めば大丈夫」と軽視し、重症化してしまうケースが後を絶ちません。 
 
実際の死亡事例では、午前中に「少し疲れている」と周囲に漏らしていた作業員が、昼休みにクーラーの効いた車内でひとり休憩中に意識不明となり、そのまま亡くなったケースがあります。 
 
「意識はあるから大丈夫」「汗をかいているから問題ない」といった誤った判断も、命取りになります。 
 
重症例では汗が出なくなる場合もあるため、汗の有無だけで判断するのは危険です。

3.【2025年6月施行】企業は熱中症対策が義務化されている

2025年6月の労働安全衛生法の改正により、「労働安全衛生規則」に熱中症対策に関する具体的な条項が追加され、事業者には従業員の熱中症対策が法的に義務付けられました。 
 
事業者には以下の義務が課せられています。

おもな改正ポイント
詳細
WBGT値(暑さ指数)の把握義務
作業環境の暑さ指数を測定・評価すること
作業環境管理の実施
高温多湿環境での適切な環境改善措置を講じること
作業管理の徹底
作業時間の短縮や休憩時間の確保など、適切な作業管理を実施すること
健康管理の強化
作業前後の健康状態の確認や、異常時の迅速な対応体制を整備すること
労働衛生教育の実施
管理者・作業者への熱中症予防に関する教育を実施すること

現在はすでに完全義務化の段階に入っており、すべての対象事業場で適切な対策を実施していることが求められています。 
 
「まだ準備が整っていない」という企業は、早急に対策を講じる必要があります。

4.工場での熱中症死亡事故を防ぐ対策方法5選

法的義務を果たし、従業員の命を守るためには、具体的な対策が重要です。 
 
ここからは工場での熱中症死亡事故を防ぐ対策方法を解説します。 
 
対策①WBGT値の測定と作業管理の徹底 
対策②熱中症の応急処置と緊急対応訓練 
対策③水分・塩分補給の環境整備 
対策④作業環境に合わせた空調設備の導入 
対策⑤作業時間・休憩の見直し 

 
詳細をひとつずつみていきます。

4.1 対策①WBGT値の測定と作業管理の徹底

WBGT値(暑さ指数)を測定し、その値に応じた作業管理をおこなうことが最も基本的な対策です。 
 
WBGT値は気温、湿度、輻射熱を総合的に評価する指標で、専用の測定器で簡単に測定できます。 
 
測定した値が基準値を超えた場合は、以下のような対応を取りましょう。 
 
■WBGT値に応じた対応 
・WBGT 28度以上:作業の一時中断、休憩時間の追加 
・WBGT 31度以上:作業時間の短縮、交代制の導入 
・WBGT 33度以上:原則として作業中止 

 
工場内の各作業場でWBGT値を測定し、リアルタイムで管理者が把握できる体制を整えることが重要です。

4.2 対策②報告体制と緊急連絡網の整備

2025年6月からの義務化に対応するため、報告体制と緊急連絡網を早急に整備しましょう。 
 
報告体制では、「誰に」「どのタイミングで」「どのように」報告するのかを明確に定めます。 
 
■報告体制の整備例 
・熱中症の自覚症状がある場合は、直属の上司に即座に報告 
・他の作業者に異変を見つけた場合は、安全管理責任者に連絡 
・報告を受けた担当者は、速やかに状況確認と対応を実施 

 
緊急連絡網には、工場長、安全管理責任者、産業医、最寄りの救急病院の連絡先を記載します。 
 
連絡網は作業場の見やすい場所に掲示し、全従業員がすぐに確認できるようにしておきましょう。

4.3 対策③熱中症の応急処置と緊急対応訓練

従業員が熱中症にかかった場合に備えて、応急処置の方法を全従業員に教育しましょう。 
 
厚生労働省が推奨する応急処置の手順は以下の通りです。 
 
■熱中症の応急処置手順 
・作業を即時中止し、119番通報 
・作業着を脱がせ、水をかけて全身を急速冷却 
・涼しい場所に移動させ、氷のうで首・脇・太ももの付け根を冷やす 
・自力で水分補給できる場合は、スポーツドリンクや経口補水液を摂取させる 
・意識がない、水分補給できない場合は、直ちに医療機関へ搬送 

 
「ひとまず様子を見よう」がもっとも危険な判断であることを、全従業員に徹底させましょう。

4.4 対策④水分・塩分補給の環境整備

従業員がいつでも自由に水分・塩分を補給できる環境を整備しましょう。 
 
工場内や作業場の近くに、飲料水や経口補水液を常備できる場所を設置します。 
 
作業中でも気軽に水分補給できるよう、各作業エリアに給水ポイントを複数設けることが理想です。 
 
■水分・塩分補給の環境整備例 
・冷蔵庫を設置し、冷たい飲料水やスポーツドリンクを常備 
・塩分補給用の塩飴や塩分タブレットを無料で配布 
・休憩室に経口補水液を常備 
・作業場近くに給水機を設置 

 
大量に汗をかく作業では、塩分濃度0.1〜0.2%程度の飲料を摂取させましょう。 
 
「喉が渇いた」と感じる前に水分補給する習慣を、全従業員に徹底させることが大切です。

4.5 対策⑤作業時間・作業体制の見直し

高温多湿な環境では、作業時間を短縮し、十分な休憩時間を確保することが重要です。 
 
とくに気温が高くなる11時から15時の時間帯は、可能な限り作業を避けるか、短時間で終わらせるようにしましょう。 
 
複数人で作業する場合は、互いに声をかけ合い、体調の変化に早期に気付ける環境を作ることも大切です。

5.工場の熱中症対策には移動式エアコンがおすすめ

工場は、適切な温度管理をおこなうことが求められますが、常設型の業務用エアコンを設置するとなるとかなり高額になってしまいます。企業としての予算が限られているなかで、大型の空調設備整備に予算を確保することが難しいのが正直なところです。 
 
そこでおすすめなのが「移動式エアコン」です。 
 
移動式エアコンは工事が不要で、本体のプラグをコンセントにつなぐだけでその日から使用できます。 
 
一般的にキャスターで自由に移動できるタイプのため、とくに冷やしたい・暖めたい場所の近くに設置でき、特定のスペースに風を集中させることで無駄なく効率のよい稼働を実現可能です。 
 
機種にもよりますが、移動式エアコンは業務用で利用されることを想定しているため、高い能力を備えているものが多くなっています。さまざまなサイズ・冷房・暖房能力を備えているものがあるため、工場や倉庫の大きさ・構造を考慮したうえで、最適なものを設置するのがおすすめです。

6.移動式エアコンの導入なら信越空調の「ヒエスポ」

工場や倉庫の熱中症対策には、移動式エアコン「ヒエスポ」が最適です。 
 
ヒエスポは、配管工事が不要で電源さえあれば設置できるため、導入のハードルが低く、すぐに使い始められます。 
 
業界No.1の風量を誇り、大空間でも強力な冷房効果を発揮するため、工場や倉庫のような広い作業場所でも十分に冷やすことができます。 
 
他社のスポットエアコンと比較しても、ヒエスポは冷房到達距離が圧倒的に長く、遠くまで冷風が届くのが特徴です。 
 
■ヒエスポの特徴 
・配管工事不要で電源接続だけで即日使用可能 
・業務用としてパワフルな冷房能力(2.8kW~14.0kW) 
・冷暖房兼用で年間活用できる 
・キャスター付きで移動が容易 
・堅牢なアルミ製筐体で耐久性が高い 
・購入・レンタル・リースから選べる 

 
ヒエスポを導入すれば、「作業場所が涼しくなり、従業員が快適に働けるようになった」と実感できますよ!

7.まとめ

2024年の職場での熱中症による死傷者は1,257人に上り、そのうち31人が命を落としています。 
 
製造業でも235人が被災し、5人が死亡するという深刻な状況です。 
 
2025年6月からは罰則付きで熱中症対策が法的義務化されているため、経営者は早急な対応が求められます。 
 
効果的な対策としては、WBGT値の測定、水分・塩分補給の環境整備、空調機器の導入などがあります。 
 
なかでも、機械熱がこもる場所をピンポイントで冷却できる移動式エアコンは、工場の熱中症対策に非常に有効です。 
 
もし、工場に効果的な空調機器を導入したい方は、ぜひ一度信越空調にご相談ください。