工場が暑いのは“輻射熱”のせい?原因と対策を徹底解説!
夏場の工場は、とにかく暑い。
エアコンをつけても全然冷えず、従業員の集中力は低下し、作業効率も落ちてしまう。
こうした悩みを抱える工場は少なくありません。
その“原因の多く”が、目に見えない熱「輻射熱(ふくしゃねつ)」であることをご存じでしょうか?
今回は、輻射熱がどのように工場の室温や作業環境に影響を与えるのか、そしてその対策として有効な手法について、わかりやすくご紹介します。
1. 工場がなぜ暑くなるのか?
1.1 輻射熱とは?
輻射熱とは、物体から放出される赤外線(遠赤外線)によって空気を介さずに直接伝わる熱です。
太陽や電気ストーブの前に立ったときに感じる“じりじりとした熱”がまさに輻射熱です。
この熱は空気をあたためるのではなく、壁や床、人体などの「モノ」そのものに熱を与えます。つまり、空調で空気の温度を下げていても、周囲の表面温度が高ければ、人は暑さを感じ続けるのです。
1.2 熱の伝わり方と輻射熱の影響
熱には3つの伝わり方があります。
伝導熱:直接触れて熱が伝わる(例:ホットプレート)
対流熱:空気や水などの流れで熱が伝わる(例:エアコンの風)
輻射熱:遠赤外線などによって空間を介して熱が伝わる(例:太陽光)
建物内の熱の移動のうち、75%は輻射熱によるものといわれています。つまり、夏の暑さ対策には輻射熱へのアプローチがもっとも重要です。エアコンでいくら空気を冷やしても、「熱を発するモノ」が冷えなければ体感温度は下がりません。
1.3 工場が輻射熱の影響を受けやすい理由
工場は、構造上輻射熱の影響を受けやすい条件が揃っています。
まずひとつは、屋根材が金属製であること。
工場の屋根には、折板屋根や瓦棒屋根といった熱伝導率の高い金属が使用されることが多く、
日中の日射を受けると屋根表面温度は60~80℃にもなります。
その熱が室内に輻射熱として降り注ぎ、空間の温度を押し上げてしまうのです。
もうひとつは、熱源となる機械の存在です。乾燥炉や溶鉱炉、
大型モーターやベルト駆動装置など、稼働中に高温となる機械類は輻射熱の発生源になります。
これらが集中している場所では、空気が冷えていても体感的には非常に暑くなり、従業員の負担も大きくなります。
1.4 輻射熱が引き起こす経営課題
輻射熱の影響は、単なる「暑い・不快」だけにとどまりません。以下のような多くの経営的リスクを伴います。
作業者の集中力低下によるヒューマンエラーの増加
熱中症や脱水症による休職・労災申請のリスク
温度変化による製品品質のばらつきや不良率の増加
商品保管環境の悪化による在庫劣化
求職者離れや離職率の上昇
また、SDGsやESG経営の観点からも、従業員の労働環境改善は重要視されています。つまり、輻射熱対策は単なる空調整備ではなく、企業のブランド価値や持続性に直結する経営テーマだといえるでしょう。
2. 工場でできる輻射熱対策
2.1 遮熱塗料や屋根材の活用
屋根からの輻射熱を抑えるには、まず屋根そのものの温度上昇を抑えることが基本です。
そのために有効なのが、遮熱塗料や遮熱機能付き屋根材の導入です。
遮熱塗料は、太陽光に含まれる赤外線を反射する特殊な塗料で、屋根の表面温度を10℃以上下げる効果が期待できます。
塗布後の見た目もスッキリしており、比較的短期間で施工が可能です。
一方で、より長期的な対策としては、既存の屋根を高性能な遮熱材に「カバー工法」で重ねることも選択肢となります。
カバー工法は既存屋根を撤去せずに施工できるため、稼働中の工場でも工事の影響を最小限に抑えられる点が評価されています。
初期投資はかかりますが、冷房コストの削減や建物寿命の延伸といった副次効果も大きいため、
中長期の投資対効果は高いといえます。
2.2 遮熱シートの施工
遮熱シートは、反射率の高いアルミ素材を用いたシートで、輻射熱を建物内に伝えにくくする役割を担います。
屋根の外側に施工する「スカイ工法」や、折板屋根の内側に貼る「屋根下工法」があり、既存屋根を大きく傷めずに対策できるのが特徴です。
また、室内機械の周囲に施工することも可能で、局所的な輻射熱をシャットアウトできます。施工にかかる時間が短く、コストも比較的抑えられるため、今すぐできる対策として多くの現場で活用されています。
2.3 機械まわりの遮熱対策
高温の機械設備自体が熱源となるケースでは、その周囲の輻射熱を遮る対策が効果的です。
大型設備に対応した「フィット工法」では、遮熱シートをテント状に縫製して機械を部分的に囲い込む方法が採用されています。熱を外に漏らさず、作業空間の温度上昇を抑えることができます。
また、遮熱シートと同時に排気フードや換気設備を設置すれば、熱気のこもりも防げて快適性がさらに向上します。
2.4 局所的な空調対策(移動式スポットクーラー)
工場全体を冷やそうとすると莫大なコストがかかりますが、作業員が集中する場所だけを冷やす「局所空調」は、最もコストパフォーマンスに優れた手法です。
移動式スポットクーラーはキャスター付きで柔軟に移動可能。作業エリア、倉庫エリア、機械そばなど必要な場所に応じて簡単に設置できます。
特に「ヒエスポ」のような除湿機能付きモデルは、体感温度を効果的に下げることができ、従業員からの満足度も高い製品です。
さらに、エアコンのような大掛かりな施工が不要なため、「すぐに使える」「予算が少なくても導入できる」「数台をエリア別に配置できる」など、柔軟性と即効性の高さも魅力です。
3. 輻射熱対策には信越空調の「ヒエスポ」がおすすめ
輻射熱の悩みに応える最適解のひとつが、信越空調の**移動式スポットクーラー「ヒエスポ」**です。
ヒエスポは、
直進性のある強力な風でピンポイント冷却
除湿機能付きで、体感温度も低下
2.8〜14.0kWまでの豊富なラインナップ
キャスター付きで移動もラクラク
といった特長を備えており、熱中症対策・作業効率改善の即効策として、多くの現場で導入されています。
施工不要・すぐに使える・現場のニーズに柔軟に対応できる――だからこそ、今すぐ始められる熱対策です。
5.まとめ
工場の暑さの主な原因である輻射熱は、空気ではなく“人”や“モノ”に直接作用するため、空調だけでは対応が困難です。
だからこそ、
遮熱塗料や屋根材で屋根温度を下げ、
遮熱シートで放射を防ぎ、
機械周辺では局所的な遮熱を施し、
ピンポイントでスポット冷却する
といった多層的な対策が必要です。
工場の暑さ対策は、従業員の安全や生産性の向上だけでなく、企業の持続的な成長にも直結します。
今年の夏も例年以上の猛暑が予想されます。ヒエスポによる早期の輻射熱対策を、ぜひご検討ください。
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