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労働安全衛生法における寒冷環境の基準とは?職場の温度管理と工場や倉庫の対策4選

「冬になると工場が寒すぎて、従業員から苦情が出ている…」
「労働安全衛生法で職場の温度管理は決まっているはずだけど、具体的に何度以下がダメなの?」

冬が近づくと、職場の寒さ対策に頭を悩ませる管理者の方も多いですよね。労働安全衛生法では、寒冷環境における職場の温度管理について明確な基準が定められています。

事務所と工場・倉庫では適用される法令が異なり、それぞれ守るべき基準も変わってきます。適切な温度管理を怠ると、従業員の健康リスクが高まるだけでなく、労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性もあります。

本記事では、労働安全衛生法における寒冷環境の基準と、職場環境別の具体的な対策方法を解説します。冬季の労働災害を防ぎ、従業員が快適に働ける環境を整備するための参考にしてください。

1.労働安全衛生法における工場や倉庫の寒冷環境の基準とは?

労働安全衛生法では、職場の種類によって適用される規則と温度基準が異なります。事務所、工場・倉庫、屋外作業場の3つに分けて、それぞれの基準を確認しましょう。

職場の種類
適用法令
おもな基準
事務所
事務所衛生基準規則
10℃以下で暖房義務/18℃以上を推奨
工場・倉庫
労働安全衛生規則
寒冷で有害のおそれがある場合に対策義務
屋外作業場
安全配慮義務
積雪・凍結時の特別な対策が必要

工場や倉庫などの屋内作業場、屋外作業場においては、事務所のような一律の最低温度基準は設けられていません。

しかし、有害のおそれがあるものや、労働者の生命や健康に危険がある場合は、適切な対策が求められます。

2.事業者に義務付けられている対応

事業者は、労働安全衛生法および関連規則に基づき、実施すべき具体的な対応について理解しておくことが重要です。

ここからは、事業者に義務付けられている対応について解説します。

2.1 ①寒冷作業場の気温・湿度・輻射熱の測定

労働安全衛生規則第607条により、寒冷で有害のおそれがある屋内作業場では、半月(15日)以内ごとに1回、定期的に気温、湿度、輻射熱を測定する義務があります。測定は作業場の代表的な地点で行い、結果を記録して3年間保存しなければなりません。

測定記録には、測定日時、測定箇所、気温、湿度、輻射熱の数値を記載します。この記録は、労働基準監督署の調査時に提示を求められることがあるため、確実に保管しておく必要があります。

測定の結果、寒冷環境が従業員の健康に悪影響を及ぼすおそれがあると判断された場合は、速やかに暖房設備の増強や作業時間の短縮などの対策を講じなければなりません。定期的な測定によって、作業環境の変化を客観的に把握し、適切なタイミングで改善措置を実施することが可能です。

2.2 ②暖房・通風などの温湿度調節措置

事務所では室温が10℃以下になった場合、工場・倉庫では寒冷で有害のおそれがある場合、事業者は暖房や通風などの適切な温湿度調節措置を講じる義務があります。具体的には、暖房設備(エアコン、ストーブ、ヒーターなど)の設置や、開口部からの冷気侵入を防ぐための間仕切り・ビニールカーテンの設置が該当します。

また、労働安全衛生規則第614条により、著しく寒冷な作業場では、作業場外に適切な休憩設備を設けなければなりません。休憩設備には暖房器具を備え、作業者が定期的に体を温められる環境を整えることが重要です。

暖房設備の選定にあたっては、作業場の広さ、天井高、断熱性能、作業内容などを考慮し、十分な暖房能力を持つ機器を導入する必要があります。

2.3 ③労働者への周知・教育

事業者は、寒冷環境で働く労働者に対し、健康リスクや対策方法について適切な教育を実施する義務があります。教育内容には、低体温症や凍傷などの健康障害の症状と予防方法、防寒具の正しい着用方法、体調不良時の報告ルールなどを含めます。

とくに冬季特有のリスクとして、積雪・凍結による転倒災害、除雪作業中の墜落・転落、寒さによる注意力の低下などについて、具体的な事例を交えて説明することが効果的です。作業開始前のKY活動(危険予知活動)では、冬季特有の要因を考慮した危険予知を実施しましょう。

3.工場や倉庫での寒冷環境対策4選

冬の工場や倉庫は構造上とても冷えやすく、とくに寒さ対策が重要です。ここからは、工場や倉庫での寒冷環境対策を解説します。

3.1 スポット的な暖房の導入

工場や倉庫のように天井が高く、広い空間では、全体を均一に暖めるには膨大なエネルギーとコストがかかります。

そこで効果的なのが、作業者がいるエリアだけを集中的に暖める「スポット暖房」の導入です。赤外線ヒーターやジェットヒーターなどを作業場所の近くに配置することで、効率的に快適な環境を作れます。

スポット暖房と併せて、ビニールカーテンや間仕切りシートで作業エリアを区切ると、暖房効率がさらに向上します。とくに開口部や物流ドックからの冷気侵入を防ぐには、透明ビニールカーテンやシートシャッターの設置が有効です。透明素材を使えば、視認性を保ちながら冷気を遮断できます。

3.2 断熱対策で暖房効率を高める

暖房設備を導入しても、建物の断熱性能が低ければ、せっかくの暖気が外へ逃げてしまいます。老朽化した断熱材を交換することで、外気温の影響を軽減し、断熱性能を向上させることが可能です。

また、開口部からの冷気侵入を防ぐには、エアカーテンやドックシェルターの設置が効果的です。エアカーテンは、開口部に温風を吹き付けることで、侵入する外気を加温して屋内へ取り込む仕組みです。ドックシェルターは、トラックの荷受け・積込み場所に設置する密閉性の高い設備で、外気の侵入を大幅に抑えることができます。

3.3 気象情報に基づく作業計画の見直し

大雪や低温に関する気象警報が発表された場合は、労働者にその情報を伝え、転倒や凍傷のリスクを低減するための対応をおこないましょう。具体的には、悪天候時には屋外作業を中止する、作業開始時刻を遅らせる、作業内容を変更するなどの判断が必要です。

安全衛生委員会などを活用し、気候や労働災害の発生状況を踏まえて、必要な用具の確保、設備の点検、労働者への注意喚起をおこないます。特に、本格的な寒波が来る前の11月末までに、冬季対策の準備を完了させておくことが推奨されています。

3.4 従業員への安全教育の実施

冬季の労働災害を防ぐには、従業員一人ひとりが寒冷環境の健康リスクを理解し、適切な行動を取れるようにすることが不可欠です。冬季開始前に、低体温症、凍傷、転倒災害などのリスクと予防方法について、具体的な事例を交えて教育を実施しましょう。

教育内容には、防寒具の正しい着用方法、体調不良を感じたときの報告ルール、転倒を防ぐための歩き方(小股でゆっくり歩く、ポケットに手を入れない、急がないなど)を含めます。また、「ながら歩き」(スマートフォンを見ながら歩くなど)や走っての移動を禁止するルールを設け、周知徹底してください。

4.工場や倉庫の寒さ対策には移動式エアコン「ヒエスポ」がおすすめ

工場や倉庫の寒さ対策を検討しているなら、信越空調の移動式エアコン「ヒエスポ」がおすすめです。

ヒエスポは移動式のため、必要な作業エリアだけを集中的に暖める「スポット暖房」に最適です。フォークリフトの運転席付近、梱包作業台の周辺、出荷作業場など、作業者が長時間滞在する場所に配置することで、効率的に快適な環境を作れます。固定式の業務用エアコンと異なり、レイアウト変更や季節によって設置場所を柔軟に変えられる点も大きなメリットです。

また、設置工事が不要なため、届いたその日から使用を開始できます。天井への取り付け工事や電気工事が必要ないので、大規模な設備投資を避けたい企業にも導入しやすい選択肢です。

ヒエスポは冷暖房兼用のため、夏は冷房、冬は暖房として年間を通じて活用できます。1台で熱中症対策と寒さ対策の両方に対応できるため、コストパフォーマンスに優れています。

ヒエスポを導入すれば、「工場の寒さ対策が簡単にできた」と実感できますよ!

まずはお気軽にご相談ください!

5.まとめ

労働安全衛生法では、職場の種類によって適用される規則と温度基準が異なります。事務所では室温10℃以下になった場合に暖房が義務付けられ、空調設備がある場合は18℃以上を維持することが推奨されています。工場・倉庫では一律の基準はありませんが、寒冷で有害のおそれがある場合は温湿度調節措置が義務となります。

寒冷環境では、低体温症、凍傷、循環器疾患の悪化、転倒災害など、さまざまな健康リスクが生じます。これらのリスクを防ぐには、暖房設備の設置、防寒具の支給、休憩ローテーション、除雪・防滑対策、安全教育など、職場環境に応じた対策を実施することが重要です。

特に工場・倉庫の寒さ対策には、必要な場所だけを効率的に暖められる移動式エアコン「ヒエスポ」の導入がおすすめです。設置工事不要で、レンタル・リースにも対応しているため、導入のハードルが低く、冷暖房兼用で年間を通じて活用できます。

適切な温度管理は、法令遵守だけでなく、従業員の健康と安全を守り、生産性を維持するために不可欠です。本記事で紹介した基準と対策を参考に、冬季の労働災害ゼロを目指しましょう。